着物を着て、楽しくお出かけ。帰ってきて脱いだら、
「なんか小物が湿ってる…。よく見たら、うす汚れている気が…。」
「正絹だし、これってクリーニング出すしか無いの??」
こんな事ありませんか?
基本、大体のものは一日干すだけですが、何度も使っていたら汚れも気になりますよね。特に夏はなおさらです。
今回は着物に使う小物の、自宅で出来るお手入れ法をまとめました。ビビネコの洗濯経験を交えながら、そのコツや使っている洗剤などを解説します!
着物の小物は自分でお手入れできる
もちろん、クリーニングに出せば失敗することなくきれいになります。しかし、一般的なクリーニングは、ドライクリーニングです。なので水性の汚れ(汗など)は落ちません。
しかし、いきなり自分の判断で水洗いするのは勇気が要りますよね。洗濯する時に注意する点を押さえた上で、小物別に具体的方法を見てゆきましょう。
自分で洗う場合に注意するべき点
まず気を付けるべき事を先に示しますね。高価なものをダメにしてしまわないよう、ここは押さえておきましょう。
金糸は変色・はがれの危険性がある
金糸は、高温多湿や硫黄分で変色します。必ず起こるとは限りませんが、古いものは金糸自体が劣化していて、洗った時に剥がれ落ちてしまう、色や風合いが変わってしまう可能性は十分あります。
多少はがれても気にならないものを、まず洗ってみましょう。
正絹の「シボの高いちりめん」は縮む
正絹ちりめんの素材は、水に濡れると縮みます。
しかし帯揚げの場合、多少縮んでも問題なく使える場合がほとんどです。また一度縮んだらその後は何度洗ってもそれ以上は縮まないので、長くて使いにくい帯揚げから試してみると良いでしょう。
ちなみに「正絹のシボの高いちりめん」とは、こちら↓↓↓のような表面にうねりのある厚手の生地です。
濃い色のものは色落ちする
色が濃いものは色落ちする可能性が大です。単色や同系色の模様が入っているものなら、多少色落ちしても問題ありません。
しかし白地に飛び柄で濃い色の模様があるタイプの帯揚げは、白い所にまだらに色移りしてしまうため自分で洗わない方が良いです。
素敵なのですが、色移りする可能性があるタイプ↓↓↓
ちなみに、ビビネコは総絞りの帯揚げを自分で洗いましたが、全く問題なく仕上がりました。多少色落ちするのですが、コントラストが柔らかくなったかな…程度で、絞りもそのままでした。
古い帯揚げは、一度洗ってみるとかえって使いやすくなるかもしれませんよ。
ビビネコが洗ったタイプの総絞りはこんな感じ↓↓↓
それぞれの具体的お手入れ方法
足袋はすぐに洗濯機で洗濯
足袋は、綿や麻、ポリエステル製などで、普通にそのまま洗濯機で洗濯して大丈夫です。
足裏の汚れが落ちにくい時は、石鹸をこすりつけてブラシでこすったり、もみ洗いしてから洗濯機に入れるとより汚れ落ちが良いです。特にウタマロ石鹸がおすすめ。
干す時はシワを伸ばすようにするとより良いらしいです。(ビビネコはあまり気にしない)
半衿は汚れたら洗う
ポリエステルの半衿なら、長襦袢から外して洗濯機でも良いですし、長襦袢自体が洗える素材なら、つけっぱなしでネットに入れて洗濯機で洗濯できます。部分的にスジ汚れが目立つ時は、その部分に液体洗剤を直接塗ってから洗濯機に入れると落ちます(染み着いてしまったものは難しい)。
正絹の半衿が正絹の長襦袢に付いている時は、
①そのままクリーニングに出す
②外して半衿だけ水で洗う
③長襦袢の丈が縮むのを分かった上で長襦袢ごと水で洗う
になります。絹は水洗いできないわけではないので、おしゃれ着用洗剤を水に溶かし、洗います。洗濯機のおしゃれ着コースで洗っても良いです。お湯は使わず、必ず水で洗いましょう。
半衿は多少縮みますが、そのままの長さで長襦袢に着け直せばOKです。
肌襦袢・裾除け、ステテコは毎回洗濯機で洗濯
肌襦袢・裾除け、ステテコは綿や麻素材だと思うので、毎回洗濯機で洗います。干すときに手でシワを伸ばしておけば、アイロンの必要もありません。
帯締めは基本陰干し、どうしても汚れが気になったら洗う
帯締めは基本外したら一日陰干しして湿気を飛ばし、しまいます。
お下がりでニオイや汚れが気になる、使っているうちに薄汚れてきた…という時は、リグロインで洗う方法と水洗いする方法があります。
リグロインは、自宅で行うドライクリーニングで揮発性の有機溶剤です。慣れた方なら問題なく使えると思いますが、特有のニオイもしますし、ビビネコはあまりお勧めしません。
水洗いならとてもスッキリしますし、扱いも楽です。水洗いの時には、色落ちと風合いの劣化を最小限にするため、「オブリージュ」という洗剤をおすすめします。
半衿や長襦袢なら普通のおしゃれ着洗剤で良いのですが、帯締め、帯揚げは念のために良質な洗剤を使った方が良いです。
ビビネコはこの洗剤で祖母のお下がりの帯締めと帯揚げを洗いましたが、本当に風合いそのまま、色落ちも最小限でキレイになりました。帯締め、帯揚げなら使う量が少量なので、一本あると沢山洗えます。
帯揚げも基本陰干し、どうしても汚れが気になったら洗う
帯揚げも帯締め同様、外したら広げて一日陰干しが基本です。頻繁に洗うものではありません。
でもやっぱり洗いたい!という時は、高級帯揚げや白地に濃い色の柄の帯揚げはクリーニングに出して下さい(笑)。
それ以外で、普段用、ちりめん生地ではない物、失敗しても後悔しないものは自分で水洗いしましょう。その時は、できれば「オブリージュ」、安い帯揚げならおしゃれ着用洗剤を使いましょう。
そして、ポイントは半乾きでアイロンをかけること。オブリージュなら、もとの絹のツヤと風合いが復活!このツヤは他のおしゃれ着洗剤では再現できないと思います。新品かと思う仕上がりになります。本当に高いのですが、是非皆さんに使って頂いて、その違いを感じて欲しい所です。
草履は硬く絞った布で拭く
さほど汚れが気にならなければ、乾いた布やキッチンペーパーなどでサッと埃をふき取るだけでOK。少し汚れが気になるなら、水で濡らして硬く絞った布で拭きとり、陰干ししましょう。
草履の鼻緒や台が布製の場合は、可愛いのですが汚れが染みこみやすく、落ちにくいです。水拭きできる素材を選ぶとお手入れ的には楽でおすすめです。
下駄も硬く絞った布で拭く
下駄は木製の台がほとんどだと思います。なので、水で濡らして硬く絞った布で拭きとり、陰干しします。
腰ひもは基本陰干し。汚れたらネットに入れて洗濯機で洗濯
腰ひもも、毎回は洗いません。汚れが気になったら洗いましょう。
絹製や刺繍があるなど、大事にしている物はおしゃれ着洗剤で手洗い。普通の腰ひもなら、ネットに入れて他の洗濯物と一緒に洗濯機で洗濯できますよ。
伊達締めは基本陰干し、汚れが気になったら洗う
こちらも汚れたら洗いましょう。正絹の伊達締めで大切にしている物なら、おしゃれ着洗剤で手洗い。それ以外は、ネットに入れて洗濯機でOKです。
帯板は基本陰干し。物によって洗える
湿気を含んでいたら、陰干ししましょう。基本的に洗えません。一部、メッシュタイプのもの、プラスチックのパンチングタイプは洗って構いません。
ビビネコは、先日ずっと使っているベルト付きメッシュタイプの帯板の薄汚れが気になったので、おしゃれ着洗剤で漬け置き、振り洗いしてみました。やはり水洗いはスッキリ感が違います。
右画像は着け置き10分後。腰ひもと伊達締め(たかはし着物工房三賢伊達じめ)も一緒に洗い、水に汚れが溶け出しています。(汚い画像で申し訳ありません)
帯枕は基本陰干し。物によって洗える
帯枕は、基本洗えませんので陰干ししましょう。洗えるタイプの帯枕なら、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗いましょう。
まとめ
以上、着物に使う小物のお手入れ方法について解説しました。絹の物で、洗えないと書かれている物も、実際には結構洗っても問題ない事が多いです。
いくつかやってみるうちに、注意するポイントだけ押さえれば自分で判断できるようになると思いますよ。頻繁に着物を着ている人が近くに居ないと、そこら辺の事ってあまり教えてもらえないですよね。この記事を参考に、ぜひチャレンジしてみて下さいね!
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