着物をクリーニングに出す時って、どこのショップに出そうか悩みますよね。
着物が傷んでしまうのは嫌だし、洋服のクリーニングよりも高いから、失敗したくない…
その気持ち、とても良くわかります!
もし失敗されてしまったらやり直しがきかない分、慎重になるのは当然。
実際に、街のクリーニング店に着物を出して縮んだり、生地がボロボロになってしまったという話も聞きます。
そんな方に、普段ビビネコが使用しているクリーニングのネットショップ「きもの工房なぎさ」を紹介しますよ。
和服の扱いに慣れていて、業者として街のクリーニング店からの着物の仕事も受けている会社です。
しかも街のクリーニング店や呉服店を通さないので、訪問着の丸洗いが1枚2,900円と激安です。
そして、結論を先に言いますと、
付いて間もない衿・袖の汚れや全体のくすみがある着物・帯を、まとめてシーズン終わりに出す時におすすめ
この記事では、その理由と注意点、特におすすめな人についても解説してゆきます。
皆さんの参考になるように、ビビネコが実際に着物と帯を出した検証結果と、具体的な申し込み方法も紹介しているので是非見ていって下さいね!
「きもの工房なぎさ」とは
今回紹介する「きもの工房なぎさ」は新潟県長岡市にあるクリーニング専門店。
特に、普通の街のクリーニング店では扱えない高級和服、ウェディングドレス、皮革製品などの特殊品のお手入れをされています。
元々着物の手入れで会社を興しているので、普通の丸洗い以外に洗い張りや染め替えまで可能。自社で工場を持ち、職人さんが作業しています。普通のクリーニング店や呉服店はこのような業者に外注しています。
お手入れの価格、送料
1点の丸洗いが2,900円!非常にお安いですね。呉服屋さんでは安くなっている時期でも5,000円程度。普段なら7,000円ぐらいかかります。
さらに、3点・5点とまとめる事で、帰りの送料が無料になってお得。
全てのお手入れの金額が明確になっているので、クリーニングに出す前にだいたいの予測が付くのもありがたいところですね。
できあがるまでの日数
お手入れの見積もり後、約3週間で納品される
通常の丸洗いなら、見積もりが終わり、お手入れ内容が確定してから約3週間で自宅に納品されます。
ただし、加工の内容や、繁忙期は前後することもあるかもしれません。
3週間以上かかるようなら、メールで連絡が来ます。
「なぎさ」に出す時の注意点
- 古いシミを落とすのは難しい
- 「しみ抜き」はどこのシミが抜けるのかしっかり確認した方が良い
- 高級着物を出した時は、たとう紙は美濃のものに交換した方が良い
- 送る時の送料は自己負担
- お手入れ料金が3,980円以上で戻りの送料が無料
どこのクリーニングショップでも「古いシミを落とすのは難しい」です。
そしてそれは「なぎさ」も同じでした。「シミ抜きをしても落ちない可能性が高い」と見積もりが出たら、シミ抜きをしないという選択もありだと思います。
ホームページには、「特殊シミ抜き加工部」があると記載されていたので期待していましたが、そこはちょっと残念ポイントでした。なので、「シミ抜き」が見積もりで出されたら「どのシミが抜けてどのシミが抜けないのか」を確認してから依頼しましょう。
この見積もりの内容だと、
「シミ抜きで、袖口だけはある程度キレイになるよ。他の黄変などもシミ抜きはしてみるけど、多分全く落ちないよ。」
という事なんですね。
ちょっと分かりにくくないですか?
もし見積もりの内容が良く分からないなら「結局、シミ抜きつけるとどれがキレイになるのか」をメールで確認して下さいね。確認せずに依頼すると「シミ抜きのお金払ったのに、全然シミ取れてないじゃん!」という事になりかねません。
また、これはその方のこだわりにもよりますが、高級着物の場合、包まれてくるたとう紙を「美濃和紙のたとう紙」へ交換するとさらに良いです。湿度調整・虫やカビの出にくさが違います。
また送料は、送る時は自己負担、戻りは3,980円以上で無料なので、2枚以上まとめて出した方がお得です。
「なぎさ」のおすすめポイント
このショップがおすすめな人
「着物を送る前に汚れをチェックして用紙に書き込んで…、送られてくる専用バッグに入れて…」などが面倒な方は、「なぎさ」がおすすめ。
「ただビニール袋に入れてダンボールで送る」だけであとは全てショップがやってくれるので、とにかく楽ちんです。
そして、荷物が届いてから見積もりが来るのも、品物が仕上がってくるのも早いです。せっかちで何事もサクサク進まないと落ち着かない方にもおすすめですよ。
そして何といっても安い!なのに呉服屋さんに出すクリーニングと仕上がりが変わりません。
このショップのおすすめポイント
まず、当然ですが着物専門のクリーニングをされているので、預けた着物が破れる、ほつれる、縮むということはありません。そこは安心して出せます。
そしてビビネコ的一番のおすすめポイントは、「汗抜きが安くできる」こと。
着物は2,200円、帯は1,100円で全体の汗抜きをしてくれます。
汗抜きは3,000円以上の店舗もあるので、良心的なお値段だと思いますよ。
ちなみに汗抜きの方法は、吸引装置のついたシミ抜き台に着物を載せ、水が噴射できる専用ガンで汗の成分をたたき出し、すぐに吸引装置で汚れた水を吸引する方法です。
実際に水を使用しているので、サッパリ!
そしてもう一つのおすすめポイントは、とにかく簡単!
ネットで申し込んだら梱包して送るだけなので、ストレスや時間的拘束が非常に少ないです。
「なぎさ」はどんな着物・帯のお手入れに使うべきか
結論、シーズン終わりにまとめて汗抜き丸洗いをしたい時におすすめです。
普通に着て付いた時間の経っていない汚れやくすみ程度なら、丸洗い+汗抜きで十分な可能性が高いです。
また、セレモニー着物の収納前のクリーニングにもおすすめです。
実際に「なぎさ」にクリーニングに出した結果を紹介
表地・裏地ともにシミ、汚れのある着物
今回出した着物は、リサイクルで購入した古いものでした。
ブログに載せる検証キモノとしては、かなりハードルの高いタイプ。生地も割と薄いのでしみ抜きは気を使われたと思います。
結果、袖口はこんな感じ。同じiPhoneのカメラで撮影しています。
撮影している日の天気が違うので少し見え方は変わりますが、一番気になる袖口の汚れはキレイに。
そして、地のオレンジが鮮やかによみがえっています。
裾も結構汚くなっていましたが、同じようにかなりキレイになっています。生地が破れたり薄くなっているようなこともありません。やはりオレンジがきれい。ちゃんとシミ抜きできています。
裏地の汗シミは黄変になっていて、やはり落ちませんでした。
見えない所なので、良しとしましょう。そして、やはり早めのお手入れは大事ですね。
掛衿は、黄変やスレ、薄汚れがあったので試しに地衿と掛衿を交換してもらいました。
(掛衿の下になっているキレイな地衿で掛衿を作り、汚れた掛衿を地衿に付け替えること)
きちんと仕立てられています。
他の店では「これ以上は衿の汚れは落ちません」と返ってくる可能性もありますが、こういう方法を提案できるのは良いですね。
古いシミはシミ抜きでも落ちない可能性大
汗抜きをすると、手触りがサッパリする
薄汚れ・胴回りのスジ汚れのある帯
帯は、胴に巻く部分の真ん中に手垢で黒っぽくスジ汚れがあり、全体にくすんでいたもの。
これがとってもキレイになっています。スジが無い!感動。
画像で上手く伝わるか分かりませんが、くすみ汚れがサッパリ取れて、白さが戻っています。
これは新品のようになったので、出して良かった。
薄汚れた着物・帯の汗抜きクリーニング、おすすめです。手触りは見た目では分からないと思いますが、かなりサッパリしますよ。
全体の薄汚れ、付いて間もない汚れはかなりキレイになる
「なぎさ」への申し込み方
申し込んだ場合の流れは次のようになります。
まず、楽天市場で注文します。
メニューが沢山あって迷うかもしれませんが、とりあえず着物や帯の枚数に合ったものを選べば大丈夫!
もし違っても、見積もりの時にショップの方で修正してくれるので、あまり気にせずに購入してOKです。
3点セット(着物・帯・襦袢どのような組み合わせでもOK)ならこちら↓(画像の金額が実際の金額と違っているようです。実際には通常8,800円です)
5点セット(組み合わせ自由)ならこちら↓(画像の金額が異なっています。実際は14,630円です)
8点セット(組み合わせ自由)はこちら↓(こちらも実際は23,430円です)
購入すると、ショップから「注文内容の確認メール」が届きます。
メールにあるようにこの段階ではまだ決済がかかっていず、まずは品物を送って見積もりを作ってもらいます。一週間以内に到着するように送りましょう。
「なぎさ」は、特に決まった形式の箱や袋は必要ないため、家にある厚手の袋やダンボールに入れて送ります。この時、輸送中の水濡れを防ぐために、必ず品物をビニールに入れてから箱や紙袋に入れて下さいね。
送る荷物によってサイズを自分で自由に決められるので、送料を安くするためできるだけ小さく梱包するのがコツですよ。
荷物がショップに到着したら、ショップから「お品物到着メール」が届きます。
大切な着物がきちんと届いているのが確認できて安心ですね。
到着したら、ショップで品物の点検、お手入れの見積もりが作られます。
数日後、「お見積りメール」が送られてきます。
こちらはオプションを提案するけど、追加しますか?という確認のメールです。
なので、もし丸洗いと仕上げだけで、他は一切追加しない、という事なら「希望/不要」の部分を全て「不要」にして返送すればOK。押し売りは一切ありません。
追加したい項目があれば、そこだけ「必要」にして返信メールを打ちます。
すると、そのメールで注文が確定し決済されます。
あとは待つだけ!約3週間で出来上がり、「発送お知らせメール」が来ます。
もし配達日を指定したければこのメールに配送日を指定すればそれに合わせて発送してくれます。
品物は、こんな感じで届きます。
中を見ると、緩衝材をキッチリと詰めて着物が動かないようにされています。シワになる事もありません。
着物の保管方法や普段のお手入れの仕方のリーフレット、お手紙が入っていました。
今回、汗抜きをしてもらっているので、新品のたとう紙に「汗抜き済」のシールが貼られています。
「着物カルテ」が入っており、処理した内容、金額の明細が書かれています。
今回は、ほつれの修理と、地衿・掛衿の交換をしたので金額は大きくなっています。
丸洗いと汗抜きなら合計4,900円になるのがわかります。
帯のカルテはこちら。丸洗いにシミ抜きと汗抜き込みで5,280円。呉服屋さんなら、丸洗いしかできない金額です。
黒ずみ、シミ50%上がりとなっていますが、良く見ても分からないくらいまできれいになっていましたよ。
このカルテと、実物を合わせ、きちんと処置されているか確認します。
もし、内容と違っている部分があれば、メールで問い合わせると対応して頂けるので安心です。
まとめ
以上、実際に「きもの工房なぎさ」にクリーニングに出してみた結果について紹介しました。
結論、付いて間もない衿・袖の汚れや全体のくすみがある着物・帯を、まとめてシーズン終わりに出す時におすすめ
「なぎさ」は普段の一般的な着物クリーニング、汗抜きにお安く利用するのが良いですね。また、長期間保管する前の仕舞い洗いにも最適だと思います。
ビビネコもそうですが、リサイクル着物などを買うと大きなシミは無いけど、何となく薄汚れが気になる時ってありますよね?
そんな時も「なぎさ」でお安くクリーニングして、サッパリとしてから着ると良いですよ。汗抜きが不要なら、1枚2,000円台で済みます!
お得にお手入れできれば、もっともっと気軽にお着物を楽しむことができる。
そうすれば、着物業界も復活できるのではないかなと思っています。
着物は「着るもの」なので、どうしても多少の汚れは付きます。
でも、ちゃんとお手入れできるので心配いりませんよ!せっかくの着物も、着ずに仕舞っていては逆にもったいないのです。上手にネットクリーニングを活用して、みんなでどんどん着て楽しみましょう!
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