【薬剤師転職】楽でおいしい⁈個人薬局の特徴とメリット・デメリット!

転職先として有り⁉個人経営の調剤薬局のメリット・デメリット 転職
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「転職を考えているけど、どこが良いんだろう?」
「求人では個人薬局のお給料って良いよね。何か人が集まらない良くない事があるんじゃない?」

こんな風に思っている方いらっしゃいませんか?
今回の記事では実際に働いた経験のあるビビネコが、個人薬局に勤める時に押さえておきたいポイントを実例を交えて解説していきます。

この記事を読む事であなたが転職先として個人薬局を選ぶべきかどうか、判断できるようになりますよ。

    

調剤薬局には様々な形態の店舗がある

調剤薬局と言っても形態はさまざまです。

まず一つ目が大手チェーン薬局。全国に何十もの店舗を持ち、本部が経営や人事などを行っています。
二つ目が規模は小さいが、数店を経営している個人薬局。
三つ目が一店舗のみを経営する個人薬局です。

調剤薬局に就職・転職する上で、どの形態の薬局を選ぶのかは重要なポイントですね。
今回は二つ目と三つ目の個人薬局について、勤務した場合のメリット・デメリットを中心に解説してゆきます。

大手チェーン薬局に勤務した場合の記事はこちら↓↓↓

個人薬局の特徴

中小で複数の店舗を経営している個人薬局

全国展開ではなく、地域で数店を展開している調剤薬局が多いです。本部は持たず、メインになる(もしくは最初に立ち上げた)店舗を中心として、それぞれの店舗に責任者(薬局長)をおいています。

開設者が薬剤師の場合は、どこかの店舗の薬局長を兼ねているでしょう。店舗により応需医療機関が異なり、忙しい店舗とそうでない店舗があったりします。店舗間で人をやりくり(応援)して、少ない薬剤師でも経営が成り立つようにしている場合が多いです。

一店舗のみ経営の個人薬局

一店舗のみの調剤薬局は、そこの薬局長が開設者というパターンが多いかもしれません。ビビネコはこのタイプの調剤薬局に5年務めています。

薬局長が開設者、奥さんは特に資格なし。時々ピッキングを手伝いに来たり、備品の補充・休日夜間当番者の軽食を持ってきてくれたりと、雑用をされていました。

最初は常勤薬剤師2人、午前中勤務パート薬剤師1人、医療事務3人。途中で常勤薬剤師3人になっています。割と処方せん枚数もあったため薬剤師を3人置けて、一人を休みにしても業務は回り、個人薬局の就業形態としては悪くない条件です。

薬局長とクリニックの医師が友人であったため、双方の関係性が良く疑義照会もスムーズでしたが、クリニックの行事にはできるだけ参加するなど、多少面倒な事もありました。

個人薬局に勤めるメリット

異動・転勤が無い

全国・広域展開しているチェーン薬局では、引っ越しを伴った異動、転勤があります。

しかし個人薬局の場合は、複数の店舗があっても距離が近く通勤圏内のため、引っ越しを伴う異動はありません
その地域で落ち着いて働きたい場合、持ち家があって引っ越ししたくない単身赴任したくないという場合、この形態の薬局が良いでしょう。

給料設定が高い

個人薬局、特に地方の店舗は給与が高く設定されています。正社員だけでは無く、パート職員の時給も高い傾向にあります。都市部に比べて人材が不足しているためです。

開設者が高齢の場合、薬局を継承させてもらえる場合がある

開設者が高齢な場合、もしくは近い将来に引退を考えている場合、勤務薬剤師に薬局を継承させてくれる場合があります(無料ではなく、買取になるでしょう)。

M&Aで売却する経営者もいますが、屋号が変わってしまうのを嫌ったり、処方を受けている医療機関との付き合いが深く、できれば形態を変えたくないと考える経営者もいます。また、M&Aの場合、雇用している薬剤師や事務員が雇用形態、給与の変化に納得できず離職につながる事もあります。

細かい規則が無く、柔軟に対応してもらえる

大手の場合、マニュアルや規則が細かく設定されています。
しかし、個人薬局の場合は必要最低限のマニュアルにとどまる事が多く、細部に関しては柔軟に対応してくれます。

そのため、何か突発的な問題があっても、直接経営者に相談、双方にとって良い解決策を取ってもらえるというメリットがあります。
大手では、規則上、また他の従業員との公平性上、融通を利かせられない場合が多いものです。

経営のノウハウを勉強できる

経営者との距離が近く、風通しが良いのが特徴です。
仕事や人材が評価されれば、今後の事も考えて薬局経営に関してのノウハウを教えてくれるでしょう。

大手では経営形態も違う上、本部がその業務を担っているため、経営に関して学ぶのは難しくなります。

扱う疾患・薬剤が少なめで管理が楽

処方元の診療科で使用する薬剤が在庫のほとんどを占めるため、薬剤数は少なめです。薬品管理、学習といった意味では楽かもしれません。

他店舗への応援に行く必要が無い

複数の店舗がある場合、曜日により出勤店舗が変わるなどはありますが、広域にまたがっての応援は無いでしょう。気心が知れた店舗のみでの勤務になるので、コミュニケーションでの精神的負担は少なくなります。

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個人薬局に勤めるデメリット

病院の経営状態に大きく左右され、M&Aのリスクもある

病院の処方せん発行枚数に経営状態が左右されます。
複数店舗あれば、もし一店舗の経営状態が悪くなっても、他の店舗で持ちこたえることもできますし、職員をそちらに異動するなどの措置も取れます。

しかし一店舗で病院の医師も一人の場合、その医師に何か不測の事態がおこり閉院となると、とたんに薬局も経営難に陥ります。

また、何かの理由で経営者が他社にM&Aで売却を行った場合、従業員は継続雇用でも雇用条件は譲渡先に従う事になります。場合によっては、減給の可能性もある事は押さえておきましょう。
譲渡側にとっては薬剤師が継続勤務してくれると売却益が大きくなるため、継続勤務をお願いしてくると考えられます。

スキルが偏りやすい、スキルアップが難しい

疾患や薬剤に偏りが出るため、得られる知識やスキルも偏ります。
ある程度他の職場で経験を積んでいれば問題ありませんが、まだ知識が浅いうちに入るとそれ以上のスキルアップが難しくなります。今度はそこから転職したいと思った時に不利となります。

教育制度・福利厚生が無い

個人薬局の場合、教育制度・福利厚生は無いと思った方が良いでしょう。必要な場合に直接周りの薬剤師に聞いたり、検索、e-ラーニングで学習する事になります。積極的に学習しなければ、知識の更新は難しいと考えて下さい。

休暇が取りにくい

従業員が少ない、処方せん枚数に対して余裕が無い事が多く、休暇は取りにくいかもしれません。
特に、忙しい曜日が決まっている場合、基本その曜日は休めません。

また、個人病院の門前の場合、病院の営業日、営業時間に合わせた勤務になります。
求人で「週40時間勤務、シフト制」と書かれていて週5日かと思いきや、
「木曜と土曜は半日勤務、6日間で40時間」などがよくあります。

実際、丸一日休みなのは日曜日だけ、という事も多いのです。

給料が経営者の裁量で決定する

就業規則や昇給に関するはっきりとして決まりが示されていず、給料が経営者の裁量で増減する事があります。

例えば、採用時に年俸制で年1500万円だったとします。
一年はそれを12分割して支払われますが、一年が経過する前に、翌年度の年俸について相談という名の契約更改が来る事があります。もしその年度の業績が悪ければ、年900万円に減俸しますよという可能性も充分にあるのです。

ビビネコは、パートから正社員になる時かなり良い年俸で契約しましたが、二年後に「相場に対してあげ過ぎていた」という理由で減俸になりました。
このようにワンマンの経営者の場合は、給与が安定しない可能性がある事も押さえておきましょう。

昇給しにくい

大手と違い、昇給のシステムがあるとは限りません

大手は沢山の職員がいるため、給与の増減についてある程度の公平性を持たせます。年に一回、考課(社員の能力や勤務態度に対する評価を行い人事に反映させる制度)を行い、それにより昇給の有無を決めるのです。

個人薬局にはそのような制度を取り入れる必要が無いので、経営者の判断で給与が決まります。もちろん、不当に低い給与を提示してくる場合は拒否、場合によっては退職を選択する事もできます。しかし、そうなると十分なスキルを持っていないと次の転職に不利になります。

年俸制でみなし残業代が含まれている場合がある

注意したいのが「みなし残業代」です。
ビビネコが働いた個人薬局では、みなし残業代が年俸に含まれていました。

当時ビビネコはそういう知識も無く、正社員になる時
「残業が出ても、それも年俸に含まれているからね~」という話をされ
「あ、そうなんだ。年俸高いし、仕方ないよな。」と納得して働いていました。

調剤薬局に勤めた事のある方ならわかるかと思いますが、

薬局を閉められる時間病院で最後の患者さんの診察が終わり、処方の有無が確定、その患者さんが来局して帰る時間、もしくは他の薬局に行ったと確定した時間

な訳です。
例えば、最後の患者さんが検査をしていて、その間他に患者さんが全く来なくても、待っていなければなりません。そして待っていたけど、最終的に薬が出なかったなんて事もよくあります。

詳しい内容は別の記事にまとめますが、こういった事で意外と残業時間が発生します。しかし、どれだけ残業が発生しても、すでに残業代として給料に含まれているので、追加でお金が支払われる事はありません。
夜間診療で帰りが20:00、午前勤務の日に15:00帰宅などはよくある話です。

機器が古く、なかなか更新されない

個人薬局でも、処方せん一枚当たりの単価が高くて儲けも十分あり、お金持ちの薬局は沢山あります。しかし、パソコンやソフトウェア、分包機等はそうそう買い替えません。

今は当たり前になっている、バーコードでピッキングをサポートする端末も無いかもしれません。
完全に目視のみで調剤、監査をするという事ですね。
当然、調剤過誤のリスクは高くなりますし、相互作用のチェックシステムが無い、もしくは使えないシステムだと薬剤師の確認が全てとなります。

どんなシステムや機器を使っているか、面接時には必ず確認しましょう。

人間関係がうまくいかない時は、退職しか方法がない

少人数になりがちなため、どうしても合わない人がいると逃げ場がありません。
仕事上だけの付き合い、と割り切れれば問題ありませんが、どちらかが退職するまで解決しないという事もあります。複数店舗の場合は、他の店舗への異動をお願いする事もできるでしょう。

扱っていない薬品の処方が来た時の対応が大変

たまたま広域の処方が来て、扱っていない薬品が一回だけ必要という事はよくありますよね。

チェーン薬局であれば、とりあえず至急で卸業者から買い、患者に投薬。その後残りの薬剤はその他の店舗で使ってもらう、という対応が可能です。

しかし、一店舗しかないとそうはいきません。開封済みの不動薬品が発生し、期限切れで廃棄…となる可能性があります。それを避けるため、「小分け」で他の薬局から必要数購入して投薬します。

ここもよくある内容ですね。しかし個人薬局の場合、従業員数が少ないためにこの作業を時間外に行わなければいけない時があります。

一度患者さんには帰宅して頂く➡必要な薬袋やデータを印刷して用意➡業務終了で薬局を閉める➡他の薬局に買いに行く➡患者さん宅にお届けする➡帰宅 の流れです。

薬剤師が少ない日・時間帯だと、どんどん時間外作業が増えてゆきます。

以外に拘束時間が長い

ここまで解説したように、さほど忙しくはなくても以外に拘束時間が長いです。
特に半日勤務の日などは、全日の休暇を順に取らせるために薬剤師一人、という場合も出てきます。

そうすると、半日で予定では12:30までの勤務なのに、帰宅したら15:30なんてこともよくあります。(それでもみなし残業の場合は手当はありません)

個人薬局勤務に向いている人とは?

ここまで解説した内容を考慮すると、個人薬局勤務に向いている人は以下となります。

  • 引っ越しを伴った転勤をしたくない人
  • 将来の安定、昇給は確定していなくても良いので、とりあえず今、高い給料が欲しい人
  • 将来、薬局を開設するために経営を学びたい人
  • すでに薬剤師としての充分なスキルを持っている人
  • 長期休暇が無くても気にならない、バリバリ働きたい人
  • 仕事での拘束時間が長くても気にならない人
  • どんな古い機器であっても、知識とスキルで乗り越えられる人
  • 人間関係でトラブルになる事はほとんどないし、気にならない人
  • 会社での細かい就業規則、規制が嫌いな人

どうでしょう?当てはまりましたか?

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まとめ

今回は、個人経営の調剤薬局で働くメリット・デメリットとしてビビネコの経験もふまえて解説しました。

個人薬局に勤めるメリット
  • 異動・転勤が無い
  • もともとの給料設定が高い
  • 開設者が高齢の場合、薬局を継承させてもらえる場合がある
  • 細かい規則が無く、柔軟に対応してもらえる
  • 経営のノウハウを勉強できる
  • 扱う疾患・薬剤が少なめで管理が楽
  • 他店舗に応援に行くことが無い
個人薬局に勤めるデメリット
  • 病院の経営状態に大きく左右され、M&Aのリスクもある
  • スキルが偏りやすい、スキルアップが難しい
  • 教育制度・福利厚生が無い
  • 休暇が取りにくい
  • 給料が経営者の裁量で決定する
  • 昇給しにくい
  • 年俸制でみなし残業代が含まれている場合がある
  • 機器が古く、なかなか更新されない
  • 人間関係がうまくいかない時は、退職しか方法が無い
  • 扱っていない薬品の処方が来た時の対応が大変
  • 以外に拘束時間が長い

どこに勤めたとしても、それぞれにメリット・デメリットがあります。なので、絶対の正解というものはありません。
そして、人それぞれ仕事に求める優先順位も違います。その時の自分に一番合っている職場を選ぶのが、最善であるとビビネコは考えています。

また、ここに紹介した内容が全てではなく、そこそこの薬局で就業規則も違えば、機器も違います。
転職するときの職場見学で、どこに着目するか、どこを確認しておくか、といった観点で今回の記事を読んでいただくのも一つと思います。

そして、個人薬局の場合は開設者・経営者の考え、性格が会社に大きく反映します。面接では、ぜひその人の考えや人柄が自分と合っているかも確認して下さいね。

もし転職活動をしていて、何社も自分一人で確認するのが難しい、給料の交渉をするのはちょっと…
という方は、ビビネコのように転職エージェントを利用するのが良いですよ。

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