こんにちは!ご訪問ありがとうございます!
着物を着始めて20年になる茶道講師のビビネコです。現在も毎週のお稽古、年に2~3回の泊りがけの研修に着物で参加する生活をしていますよ。
このブログの着物カテゴリーでは、着物まわりでお役に立ちそうなこと、着物ライフがより快適になる商品を紹介しています。
今回は、「帯のクリーニングについて」
着物を着る時には必ず必要になる帯ですが、
「お手入れってどうしたらいいんだろう?」
「クリーニングって、どのくらいの頻度で出したらいいの?」
「どうやって出したらいいか分からない!」という方も多いのではないでしょうか?
本記事では、
- 帯をクリーニングに出す目安、頻度
- 実店舗(悉皆屋・呉服屋さんとクリーニング店)、ネットショップの使い分けについて
- 具体的なクリーニングの出し方
- クリーニングから戻ってきたらする事
- 帯の普段のお手入れ法
について解説しています。
着物や帯のクリーニングについて全く分からない!という方も
何となくは知っているけどちょっと不安…という方にもお役に立つ内容だと思います。
ぜひ最後まで見て行って下さいね!
帯は自分で洗濯できない

結論、帯は自分では洗えません。
例えそれが兵児帯だったとしても、素材が正絹では無く、綿だったとしても不可能。
汚れたらクリーニングに出す必要があります。
理由は、色落ち、色移り、型崩れ、箔の痛みや変色の可能性が高いからです。
もしこのようなトラブルが起こった場合、修復はできない、もしくは高額な料金をかけて再度クリーニングする必要が出て来ます。
絶対に自分でなんとかしようとせず、クリーニング店にお願いしましょう。
帯をクリーニングに出す目安

すぐに帯のクリーニングが必要なのはこんな時
- 食べ物や飲み物を付けてしまった時
- 誤って化粧品を付けてしまった時
- 自分で汚れを取ろうとして輪じみになってしまった時
食べ物や化粧品、抹茶などなど…ひどい汚れが付いたときは、すぐにクリーニングに出す必要があります。
べったりとソフトクリームを付けてしまった!チョコレートクリームを落としてしまった!抹茶が付いてしまった!口紅が…
という場合も、汚れが付いてすぐ~約一週間以内ならば落ちる可能性が高いです。
時間が経つほどシミは落ちにくくなるため、できるだけ早くしみ抜きに出しましょう。
- 表面に付いた汚れを、つまむようにしてティッシュや乾いた布で取る
- 残った汚れが他の部位に付かないようにしてすぐにクリーニング(しみ抜き)に出す
- 水で濡らす
- 濡れた紙や布で拭く
- 叩いて汚れを取る
- こする
- 市販のシミ抜きを使う
- おしぼり・ウェットティッシュで拭く
水では汚れは落ちませんし、かえって汚れが広がりクリーニング店でのしみ抜きが大変になります。
自分で応急処置して汚れが目立たなくなった。クリーニングしなくて良い?
➡そんな時も、油断せずにクリーニングに出しましょう。時間が経ってから、汚れが浮き出てくる事があります!
何回使ったら出す?帯をクリーニングする頻度
帯は基本、汚れが気にならなければクリーニングしません。
ですから、何回使ったら…、とか何か月に一回と考える必要がないのです。
「どうしても汚れが気になる時がクリーニングに出す時」と考えれば良いですよ。
知らぬ間に汚れている可能性もあるので、着物を脱いだ時に目立つ汚れがないか確認するようにしましょう。
帯を掛けて汚れが無ければ、一日陰干しして仕舞いましょう。
薄汚れ、ニオイが気になってきたらまとめてクリーニング
「ひどい汚れではないけど、薄汚れているのが気になって使う気になれない…」
「手の汗が染みている気がする…」
「リサイクルの帯で、ニオイが強い…」
こんな時は、まとめてクリーニングするのがお得です。さらにシーズン終わりに出せば、気持ちよく収納できますよ。
例えば、
- 薄汚れたリサイクルの袷帯1本
- もらい物の、柄は好きだけどニオイがきつくて使っていなかった帯1本
- 夏の汗の染みた着物
を、袷に変わるタイミングの10月に、まとめてクリーニングに出すという具合です。
薄汚れ、汗染み、ニオイは緊急案件ではありません。しかし汗は時間が経過すると黄ばみになるので、気を付けていても付けてしまったらシーズン終わりには汗抜きするのが良いと覚えておきましょう。
振袖、留袖、喪服などしばらく使わない帯はどうするか
次回いつ使うか分からない喪服の帯。
数年後~数十年後に使うかもしれない振袖や留袖の帯。
そんな帯は、クリーニングしてから仕舞ったほうが無難です。
- 式典では思ったよりも汗をかいている
- 湿気が残ったまま長期間しまうことで、カビやニオイ、虫食いがおこりやすくなる
次の着用時に出してみたら、カビだらけですぐには使えないなんてこともあり得ます。
帯の場合、表面はキレイでも中の芯がカビて酷く臭うことも。
そうなるとカビ落とし+帯芯交換が必要になります。
実店舗とネットショップは枚数と急ぎ具合で使い分ける

枚数が少ない、急ぐ時は実店舗がおすすめ
実店舗とは悉皆屋(しっかいや)や呉服店のこと
実店舗というのは「悉皆屋」や「呉服店」のことです。
悉皆屋とは、着物の丸洗いや洗い張り、しみ抜き、汗抜き、色掛けなどメンテナンス全般を取り扱う所です。中には呉服の販売をしている店舗もありますが、基本はサービスを提供します。
お手入れ専門なので、しっかり汚れの状態を確認し、最も的確な処置をしてくれます。
また、「丸洗いはせず、衿と袖だけの汚れ落としをしたい」「しみ抜きだけをしたい」などの要望にも柔軟に対応してくれる可能性が高いです。
呉服店は自店では作業せず、提携している専門業者に仲介しています。
しかしたとえお手入れでも、いい加減な仕事では呉服店自体がお客さんの信頼を失ってしまいますから、きちんとした業者と提携しているはずです。
しかし、普通のクリーニング店は注意が必要です。着物専門の業者に委託しているか必ず確認したほうが良いです。
普通のクリーニング店は、呉服専門の業者に依頼せず自店で作業する所があるので要注意
ビビネコは経験ありませんが、知り合いは「縮んだ」「生地がペラペラになって着られなくなった」「袖付けや縫い目が裂けて返ってきた」などがあったと言っていました。
ちなみにビビネコは昔、着物のクリーニングのことをあまり知らなかった時に「エンパイアー」というクリーニング店に着物を出した事があります。
ちょっとカビのニオイのする着物で、あまり期待していませんでした。しかし、なんと見事にカビ臭が消え、美しい仕上がり!
その後紋入れ(染抜き)をしてもらいましたが、それもきちんとした仕事!
小物のクリーニング、カビ防止のパッキングもできて、たとう紙も和紙を使う良いクリーニング店だと思います。
実店舗がおすすめな理由
- クリーニングしたいものが1本だけならネットより安い場合がある
- 食べこぼしのシミなど急いでいるとき、対応が確実に早い
ネットでクリーニングするよりも近くの店舗に持ち込んだ方が安く仕上がる事があります。
絶対ではありませんが、大抵の場合1枚だけだとネットは送料負けしてしまうのです。
例えば、帯1本をしみ抜きしてもらうとします。
実店舗なら状態を確認して、丸洗いはせずにしみ抜きだけ3,000円位でしょうか。
ネットの場合、シミ抜きだけが選べず、丸洗い、帰りの送料込みで5,000円弱。送る時の送料が自己負担で1,000円だとすると、6,000円になってしまいます。
よって、1枚だけをお手入れしたいなら、まず近くの店舗に金額を問い合わせてみて下さい。
たまに行われる「お手入れキャンペーン」に当たれば、さらにお得にできるかもしれません。
まとめてクリーニングしたい、急がない時はネットがおすすめ
- まとめてクリーニングしたい着物・帯が複数枚あるなら、1枚あたりの価格が安い
- 緊急のしみ抜きが必要ないなら、ある程度枚数が溜まるまで待てる
- 梱包、郵送は面倒だが、仕上がったものは自宅に届くので楽
複数枚の着物・帯をネット注文でクリーニングするとお得になります。
呉服屋さんを通さずに直接業者さんに頼むため、基本中間マージンがかかりません。
複数枚の着物や帯ならば、送料をまとめられるので一枚当たりの価格が相対的に下がりますよね。
ただ、注意点もあります。
自分で業者を見極めるのが難しい。
よく見ると作業の流れやサービス内容が異なります。場合によっては、ただ丸洗い(ドライクリーニング)したというだけで、あまりきれいにならない事もあるのです。
クリーニングした(溶剤の中を通した)のと、
クリーニングされた(きれいに仕上がった)のでは全く違う
皆さんレビューを参考にすると思いますが、レビューって絶対ではない気がするんです。
実際、レビューで良かったから買ったけどイマイチだった…っていうことありますよね?
結局は、自分で確かめてみないと分からない、です。
ビビネコは今まで、クリーニングのネットショップを2店舗利用してみました。
結果一つはイマイチ、もう一つはお手頃価格できちんとした手入れをしてくれたのでその例を紹介しておきますね。
①某ネットショップ
まずイマイチなショップ。こちらには、少しカビ臭のする縮緬の帯と、普通の薄汚れた帯を頼みました。
丸洗い(ドライクリーニング)+オゾン消臭のコースで注文。
カビ臭が無くなる事を期待して出しましたが、結果ニオイが消えていない!汗抜きが入っていないので手触りは当然サッパリしていません。丸洗い(ドライクリーニング)はしていますが、薄汚れもあまり変わっていませんでした。
そこにはそれ以降頼むことは無く、オゾン消臭にも過度な期待はしてはいけないと学習しました。
②「着物クリーニングきもの工房なぎさ」
こちらには、リサイクルのシミ・ほつれありの着物と、スジ汚れ、汗汚れのある白っぽい帯を出してみました。
こちらは送るとまず着物・帯の状態を確認、メールで見積もりを出してくれます。必要なオプションがあれば追加してから作業。
もちろん、こちらがオプション不要の判断をすれば、追加費用は発生しません。
ビビネコは、帯については丸洗い(2,500円)+しみ抜き(1,200円)+汗抜き(1,100円)をしました。
汗抜きをしているので、手触りは確実にさっぱり。丸洗いの効果としては、全体にくすみが取れて白くなり、折り目のスジ汚れはほとんど分からない程度まできれいになっていました。
汚れが古くなる前なら、白っぽい帯もかなりキレイになるのでおすすめです。
丸洗い、しみ抜き、汗抜きをして最終的にこの価格なら、業界内でもお安いですよ。
ビビネコがここにクリーニングを出した検証記事はこちら↓↓↓
クリーニングへの出し方

実店舗の場合
- クリーニングしたい着物や帯を、箱や紙袋、風呂敷などなんでも良いので入れて持ってゆく
- たとう紙には入れていっても、入れていかなくても良い
- シミ部分を確認するので、見やすいようにざっくりと畳んでいく
- 小さく畳んでも大丈夫。シワは気にしない。
- しみが付いている、気になる部分は、「どこに何の汚れが付いたのか」「いつ付いたものか」を伝える
- 汗をかいている場合も伝える
いろいろ書きましたが、結論、「持って行けば良い」です。
必要に応じて、店員さんが確認しながら見てくれます。
ただ、強い汚れのあるものをクリーニングに出す時は「何の汚れが付いたのか」「どういう状況なのか」「いつ付いたものか」を必ず伝えて下さいね。そうすることで、生地を傷めず最速で最適な処置を行ってもらえます。
また、着用する予定が迫っている場合は、「いつ着用予定なのか」を伝えましょう。
通常は3週間程度かかりますが、別料金を支払う事で「特急仕上げ」といって早く仕上げてもらえる場合もあります。
あとは、出来上がったら連絡が来るので取りに行きましょう。
仕上がった着物や帯は、3つ折りか2つ折りの大きさの箱に入ってきます。横にすると型崩れするので、持ち帰る時は横にしないなど注意が必要です。
ネットショップの場合
- ネットショップでクリーニングを注文
- ショップへ着物や帯を適当な大きさ(小さくまとめて大丈夫)に畳み、ビニールに入れて(防水のため)まとめて送る
- 送る時に、シミなど気になる点のメモを入れる場合有り
- 商品到着後、ショップから枚数や作業予定、納期などについてのメールが来る
- クリーニングが完了したら、自宅へ配送
そのショップにより発送用の箱が送られてくる場合と、手持ちの箱や袋を使う場合があります。
どちらにしても、扱いやすい大きさに畳んで送るだけなので、そんなに手間には感じません。
品物が届いたら、きちんとしたショップの場合は商品到着の連絡、検品の結果の連絡、しみ抜きの見積もり相談などをメールで行います。
仕上がった着物・帯は自宅まで配送業者が届けてくれます。大きな荷物を抱えて移動しなくて済むので、とても楽ですよ。
クリーニングから戻ってきたらする事と、帯を汚さない工夫

クリーニングから戻ってきた着物や帯は、輸送中の水濡れ・汚れを防ぐためにビニールに包まれています。
長期保管できるように無酸素状態にパッキングされているものは別ですが、普通のビニールは必ず外しましょう。
理由はビニールをかぶったままだと、通気性が悪くカビてしまうことがあるからです。
あくまでも、輸送・持ち歩き中の汚れ防止のものという事を忘れないで下さいね。
ほとんどの場合新しいたとう紙に入ってきますが、それが洋紙だったり、和紙でも質の良くないものの時は交換した方が良いです。
できれば美濃の質の良い和紙が通気性が良く、虫やカビの被害に遭いにくいためおすすめですよ。
帯の普段のお手入れ

頻繁に洗ったりクリーニングしない帯。きれいに保つために、着用後には必ず丸一日陰干ししましょう。
直射日光の当たらない乾燥した部屋で、ハンガーにつるして干すだけでも大丈夫です。着物用でも普通のハンガーでも構いません。
そうする事で、シワを伸ばし帯に残った熱や湿気を飛ばすことができます。
その時に、汚れやほつれができていないか一緒にチェックしてしまいましょう。
またしばらく使っていない帯は、年に一回でも虫干し(乾燥した日に丸一日陰干し)しておくとカビを防ぐことができます。
ビビネコは帯と着物を干す時、着物の裾が床に付いてしまうのが嫌で、衣桁(いこう)を使っています。
この190cmタイプは帯を掛ける所と着物を掛ける所があり、着物が床に付かない高さ。
帯もずらして掛けることで効率よく乾燥させられておすすめです。


使わない時はたたんで家具のスキマに入れられるので、場所もとらず便利です。
他のショップの通常のものは145cmと低いので、間違って購入しないように注意して下さいね。
まとめ

以上、帯をクリーニングに出す目安、クリーニングへの実際の出し方について解説しました。
- 食べ物や飲み物・化粧品など目立つ汚れが付いたときは出来るだけ早く、一週間以内にしみ抜き
- 誤って自分で処理してしまい、輪ジミにしてしまった時もすぐにクリーニング
- 着用回数でクリーニングするかを判断しなくて良い
- 薄汚れ・ニオイが気になる帯がある時は、複数枚まとめてクリーニングするとお得
- 振袖・留袖・喪服の帯は、しばらく使わないなら一回の使用でもクリーニングすると無難
- 実店舗とネットショップは、出す枚数と急ぎ具合によって使い分ける。
- 実店舗なら箱や袋に軽く畳んで入れて持って行き、汚れについて説明するだけ。
- ネットショップは、申し込んだらビニールに入れてから箱に梱包して送る。気になる汚れについてはメモを入れる。
着物のお手入れ、周りに詳しい人が居ないと悩みますよね?
かといって、呉服店にいきなり行くのはちょっとコワイ…。
今の時代はネットにも優良な信頼できるお店がありますし、金額も明瞭なので慣れてしまえば大丈夫ですよ!
自分で店を選ぶのが心配…という方は、試しにビビネコが利用しているショップに頼んでみて下さいね。
自分で色々判断できるようになったら、他の店舗も試して自分に合うクリーニング店を見つけましょう。
くれぐれも、着物や帯の扱いに慣れていないショップに出してしまい、失敗しないよう注意しましょう!
お気に入りの帯、大切な思い出のある帯をずっとキレイに着続けられるよう、願っています!
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