今回は日傘についての記事です。
割と最近は日傘を持っている方も多くて、街でもよく見かけますね。熱中症対策には大事なグッズの一つです。
ビビネコは最近、「ラディクール日傘」というものを購入しました。それが普通の日傘とはちょっと違い、より涼しく過ごせる商品。その紹介とともに、日傘の選び方、また「白か黒か問題」についても解説します。
- 日焼け対策のため、紫外線遮光率99%以上のものを選ぶ
- 暑さ対策には、表面が白か薄い色のものが良い
- 折り畳みなら畳みやすさにこだわる
- 長傘なら、軽くて持ち手が曲がっているタイプが使いやすい
- 晴雨兼用のほうが使い勝手が良い
日傘の役割は2つ、日焼け対策と暑さ対策

日焼け対策は、紫外線をカットできるかどうか
日焼け対策は、皆さんもよくご存じの通り、紫外線(UV)Aと紫外線(UV)Bを防ぐ事。日焼け止めクリームなどで対策されていても防ぎきれない紫外線を、日傘でカットします。
暑さ対策は、赤外線をカットできるかどうか
赤外線には、温熱作用があります。屋上温熱器は赤外線の有効利用ですし、洗濯物が乾くのも赤外線のおかげです。肌や衣服、日傘自体に当たると熱を生じる赤外線。この赤外線をカットできるかどうかで暑さが変わります。
可視光線は?
可視光線は日焼けにも、暑さにも影響していません。宣伝文句で「可視光線も完全カット!」はあまり関係ない情報と言えそうです。
日傘は黒がいいのか、白がいいのか問題

白い日傘は紫外線カットの効果が悪い?
日傘は黒色がおすすめという記事を見かけますが、実際はどうなのでしょうか?
色 | 白 | ピンク | 青 | 黒 |
透過率 | 19.37% | 9.6% | 4.77% | 1.67% |
この表でわかるように、何も加工していない布の場合は、黒が紫外線を通しにくいですね。では、UVカットの加工をしたらどうなるでしょう?
色 | UVカット加工した白 | UVカット加工した黒 |
透過率 | 0.61% | 0.05% |
ほぼ差はありません。この程度は「同じ」と言って良いレベルです。
日傘のUVカット効果は、表面に塗っている薬品によるもの。なので、白でも黒でもUVカット加工をされていれば効果は変わりません。日焼け止めは白や透明でも効果がありますよね?それと同じです。古くなってUVカット加工が落ちてしまうと、効力は弱まります。
UVカット加工されていれば、白も黒も紫外線カットの効果は同じ
黒い日傘は暑い?

では、暑さはどうでしょう?こちらも国立環境研究所の実験を見てみます。気温30℃の炎天下で、色が異なるポロシャツをサーモカメラで撮影したところ
ポロシャツの色 | 白 | 黒 | 深緑 |
表面温度 | 30℃ | 50℃ | 50℃ |
という結果になりました。なんと20℃の差がついています。やはり、「黒の日傘は暑い」は本当だと言えます。
表面が黒の日傘は暑い
日傘の選び方

日焼けしない事
美容目的として日焼けを防ぐためには、紫外線遮光率99%以上のものを選びましょう。
「完全遮光」「遮光率100%」の製品は一級遮光と呼ばれ、手をかざしても透けない遮光率99.99%以上のもの。目が詰まっていて、樹脂コーティングで完全に覆われています。個人的には、ほとんどの方が日焼け止めクリームなどと併用されますし100%は不要だと思います。それより99%以上遮光の傘で「軽いもの」がより実用的なのではないかなと思います。
紫外線遮光率は99%以上がおすすめ
暑さがしのげる事
環境省は、熱中症発症者数の増加が見込まれる5月~9月、夏の熱ストレスを個人の工夫で低減できる対策として、「日傘」の活用を推進しています。

この環境省のポスターをみて分かる通り、日傘だけでもかなりの暑さ対策になります。
しかし、先ほど述べた「赤外線対策」をすれば、より涼しく過ごせますよね?ではその対策とは。
- 日傘の表面は白か薄い色のものを選ぶ(赤外線を反射してくれる)
- 日傘の表面温度が白よりもさらに上がりにくい素材のものを選ぶ
- 日傘の内側に扇風機のついたものを選ぶ(赤外線対策ではない)
3つ目は、今回の記事の趣旨からは外れます。そして、温まった風が送られてくるだけなので、あまり涼しくはないかもしれません。
上2つは有効な対策と言えるでしょう。
日傘の表は白、もしくは薄い色が暑くない。放射冷却素材ならさらに涼しい。
最先端素材を使用したラディクール日傘は、体感温度を下げる

先ほど出てきた「表面温度が白よりもさらに上がりにくい素材」というのが、ここから紹介する「ラディクール」です。新しい技術なので、分かりにくいところもあります。見やすい所だけ見て頂いて構いませんよ。
ビビネコも購入!傘の内側が熱くならない!!

こちらのラディクール日傘、ビビネコも購入して実際使ってみました。結果、ほかの日傘よりも傘の内側が熱くなりません。
どの日傘も直射日光は遮ってくれます。しかし傘自体に熱がこもって、頭のあたりが暑くなる。それが外側が黒い日傘ならなおさら。
ところがラディクールの日傘は、直射日光の下でさしていても内側が冷たいんです。「普通の日傘」と「ラディクール日傘」を他に例えるなら、
- 「屋根の断熱が悪く2階が異常に暑い家」と「断熱がしっかりしていて部屋全体が同じ温度の家」
- 「炎天下に駐車していた車」と「木陰」
- 「3階建ての3階」と「3階建ての2階」
のような感じです。分かっていただけますか?とりあえず、普通の日傘より暑くないです。

世界初の放射冷却素材で直射日光下でもゼロエネルギーで物を冷やす
そもそも放射冷却とは、地表面が熱放射によって冷却すること。これを応用し、物体からの熱放射を宇宙空間に送り出すことで物体の表面温度を下げます。
簡単に言うと、ラディクールの塗料を塗れば、直射日光の下でも塗ったものは温度が上がらない。塗ったものの下は熱くならないという事になります。
ラディクール素材は温度が上がりにくく、体感温度を下げる

バターを炎天下に置いた実動動画
他社日光反射フィルムとラディクールフィルムを貼ったステンレス板2種にバターを乗せて太陽光下に置き、バターの溶ける様子を比較実験しています。
普通ならステンレス板が熱を持ち、左のようにあっという間に溶けるはずです。それが、ラディクールの場合は温度が上がらないためにバターは溶けていません。
全世界の大企業が認め、導入が進められている素材
日本では2022年4月24日に「がっちりマンデー」で紹介され、注文が殺到。帽子、日傘、ペットウエア、カーシェードなど一般の多くの方に利用され始めています。
布製品以外にもフィルム、塗料があり、大型建設、太陽光発電所、低温物流、交通運送、農業などに幅広く使われています。
- 日産自動車とサンシェード、カータープを共同開発、販売が開始
- 羽田空港の連絡通路や搭乗口の外装
- シンガポールチャンギ国際空港の塗装
などです。
ラディクールの涼しさ比較実験

これは、どちらも白い日傘を使って実験しています。もしこれが黒い日傘なら、温度差はもっと広がっていると予想できますね。「85%以上の日射反射率」と「放射冷却(熱を逃がす力)」で、表面だけでなく傘の内側の温度上昇を抑えます。
日傘をさしていて、「日差しは遮れるけど、暑くていられない!」を軽減してくれる優れものです。
しかも、電池やバッテリーを使っていないので重くならず、かさばらない。環境にもやさしい商品です。


こちらのサーモスタットの写真は、ラディクール素材の帽子と他社製品を同じ条件、2020年4月16日AM10:00東京都中央区にて気温21度で比較したもの。表面温度におよそ7℃の差が出ています。屋外での長時間滞在、運動時には熱中症対策として有効です。
ラディクール日傘のUVカット率
日焼け対策としての機能ももちろん備えています。紫外線遮蔽率は99%以上。顔や身体をきちんと覆えていれば日差しの強い日でも安心して外出できます。
ラディクール日傘はどこで買えるのか?
ネットストアで購入できます。ビビネコが購入した時よりもかなりお安くなっていますよ!

洋服にも、着物や浴衣にもおすすめのシンプルデザイン

シンプルデザインで、洋服でも着物や浴衣でもコーデの邪魔をしません。折りたたみなら携帯性も抜群で、重さは約250gと軽く着物でも荷物になりません。
まとめ:最先端の技術を他の人より早く体験しよう!

以上、日傘の選び方と最新の日傘について解説しました。
- 日焼け対策のため、紫外線遮光率99%以上のものを選ぶ
- 暑さ対策には、表面が白か薄い色のものが良い
- 折り畳みなら畳みやすさにこだわる
- 長傘なら、軽くて持ち手が曲がっているタイプが使いやすい
- 晴雨兼用のほうが使い勝手が良い
最近の異常な暑さで、外出には細心の注意が必要です。分かっているのに、水分をきちんと摂っているのに熱中症になってしまう…そんな危険性すらあります。
技術は確実に進歩しています。さらに今回紹介した素材は電力を使わずに冷やせるのもポイント。
上手く利用して暑い夏を乗り切りましょう!

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