【茶道の着物】そろえ方⑤基本の帯締め2選!使える帯締めの選び方!

茶道の着物のそろえ方⑤基本の帯締め2選!使える帯締めの選び方! 着物
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こんにちは!ご訪問ありがとうございます!
着物を着始めて20年になる表千家茶道講師のビビネコです。

現在も毎週のお稽古、年に2~3回の泊りがけの研修に着物で参加する生活。
この着物カテゴリーでは、着物まわりのお役に立ち情報、着物ライフがより快適になる商品を紹介していますよ。

今回のテーマは「茶道の着物に締める帯締め」についてです。

帯締め、結構悩みますよね?
特に、お茶会や講習会では悪目立ちしたくないし、場違いなものは避けたい

ビビネコも最初はどんな帯締めが格が高いのかどのタイプの帯締めがフォーマル帯に合うのか分かりませんでした。仕方なく「裏が金の平帯締め」を色違いで数本買い、何となく色が合うものを締めていた…。でも結局その帯締めは使いにくく、ほぼ新品のまま安く売ってしまう失敗をしています。

皆さんには失敗することなく帯締めを揃えてもらいたい
そのために最初はどんな帯にも馴染んで使いやすい一本を買う。これが一番です。

そしてその基本の帯締めは「淡色2色使いの冠組(ゆるぎぐみ)帯締め」
この一本があれば、手持ちのフォーマル帯に合わせて簡単にコーデが完成します。

ビビネコが厳選した帯締めはこちらの2種、5色!

  • 衿秀の北山ゆるぎ、リバーシブル冠組帯締め生成×灰桜」「薄香色×若葉色」「乳白×薄藤
  • 翠嵐工房 正絹冠組のツートンカラー帯締め淡黄色02」「桜色03

この中から自分の好みの色を一本選べば、どこに行くにも困りません。

記事では実際に「淡色の冠組帯締め」を使ってコーデを比較、またそれを選ぶ理由も解説しています。

さらに後半では、「2本目以降を選ぶ指標となる帯締めの特徴、茶道での使用可否」を解説。
手持ちの帯締めが使えるかの判断にもなるので、ぜひ見ていって下さいね!

この記事でわかること
  • 茶道にオススメの基本の帯締めがわかる
  • 帯締めを買い増ししたい時の考え方がわかり、自分で最適な帯締めを選べるようになる

ビビネコのプロフィール
茶道歴約20年 表千家茶道講師許状所持
入門・習事・飾物・茶通箱点・唐物点・台天目点・盆点 取得済
ほぼ毎週、着物でのお稽古を継続中   年に数回、宗匠稽古、講習会に出席  
着物はタンス2棹にびっしり、枚数は秘密(笑)
インスタグラムでは、ほぼ毎日着物コーデをアップ!
「楽天ROOM」には掘り出し物の高品質リサイクル着物、帯、小物などをこっそり紹介中(笑)

    

最初に買うべき基本の一本は「淡色2色使いの冠組帯締め」!

帯締め選びに迷っているかたが最初に買うべきなのはこちら

「老舗衿秀謹製の北山ゆるぎ、リバーシブル冠組帯締め」
・生成×灰桜
・薄香色×若葉色
・乳白×薄藤  のうちどれか

「衿秀」のもので、単色ではなく「昼夜(リバーシブル)」「撚り房」!この値段は破格です。日本製の良い帯締め。

もしくは、

「翠嵐工房 正絹冠組のツートンカラー帯締め」
・淡黄色02
・桜色03  のどちらか

こちらは「翠嵐工房」の冠組。「撚り房」で扱いやすく、リバーシブルでは無く「ツートンカラー」なのが珍しい!濃色はカジュアル向けですが、薄色は色無地や訪問着に向いています。白が入る事で、より一層使いやすい。

この2種5色の中から、手持ちの帯に一番馴染む色を選べばもう怖いもの無しです。

「衿秀の北山ゆるぎ、リバーシブル冠組帯締め」を使った実例

では、ビビネコが持っている
「老舗衿秀謹製の北山ゆるぎ、リバーシブル冠組帯締め」薄香色×若葉色乳白×薄藤
を使った実例を紹介しますね。

帯締めだけを画像で見るのと印象が変わるので、確認してみましょう!

まずは、黄色~ゴールド系のフォーマル帯。
「乳白×薄藤」を裏表変えて当ててみます。

乳白(表)×薄藤(裏)
乳白(裏)×薄藤(表)

乳白が上になると大人しく、薄藤が上になると落ち着いた華やかさが出ますね。
雰囲気はバッチリ茶道に合っています

次に、「薄香色×若葉色」を合わせてみます。

薄香色(裏)×若葉色(表)
薄香色(表)×若葉色(裏)

少し地味な感じもしますが、太陽光の下ならもっと自然で元気な印象に見えますよ。
薄香色が上になると、色が馴染んで大人しくなります。

次に、紺色のフォーマル帯に「乳白×薄藤」を合わせてみましょう。

乳白(表)×薄藤(裏)
乳白(裏)×薄藤(表)

ベースが濃い色でも、柄の色とリンクするので違和感ないのが分かりますね。
どちらが上になっても、主張しすぎない色なので上品にまとまっています。

次に「薄香色×若葉色」を合わせてみます。

薄香色(裏)×若葉色(表)
薄香色(表)×若葉色(裏)

こちらは馴染みながらも可愛らしいイメージになっています。
違和感は全くありませんね。

ビビネコは持っていませんが、「生成×灰桜」だと大人しく可憐な印象になりますよ。

「淡色2色使いの冠組帯締め」を選ぶ理由

冠組は色無地から紬の着物まで締められる
冠組は一年中使用できる
着物や帯の色が変わっても淡い色なら使いまわしやすい
2色使いの方が、のちのちコーデの幅を広げやすい

冠組は金銀が使われていないのに「格」が高い。そのため訪問着から紬まで締められて、非常に使い勝手が良いのです。

また、冠組は「通年使用できる」組み方。なのでコスパにも優れています

淡い色味をオススメしているのは、「上品でフォーマルとして使いやすい」から。
フォーマルに多いシルバーやゴールド、白っぽい帯にも黒っぽい帯にも、淡い色はよく馴染みます。

インパクトのある色は、カジュアルでその良さが引き出されます。
フォーマルな場では帯や着物から浮いてしまうため、一本目では選ばない方が無難ですよ。

試しに先ほどの帯に、単色の冠組で淡い色、濃いピンク、濃い青の帯締めを載せてみましょう。

淡い桜色単色
濃いピンク単色
濃い青単色
淡い桜色単色
濃いピンク単色
濃い青単色

どうですか?
淡い桜色はどちらの帯にも使えそうですが、ピンクと青はちょっと違和感ありますよね?
これが、淡い色を最初の一本におすすめする理由です。

また淡い色なら単色でも良いのですが、より使いやすい帯締めを選ぶなら2色が良いです。

色数が多いほど、着物や帯の色をひろう(同じ色がどこかにある)可能性が高くなる。すると違和感なく締められるのです。

買い増しするなら!茶道で使う帯締めの選び方

ビビネコが持っている帯締め

最初の一本を購入したら、その後は自分の着物や帯に合う好みの帯締めを選びましょう。

その時、茶道に締められるかどうか判断基準になるものがあると便利ですよね!
そこをもう少し詳しく解説してゆきます。

茶道にも普段にも使いやすい帯締めとは
  • 金銀が少ないもの
  • 単色よりも多色。上品な色合い、色合わせのもの
  • 正絹
  • 平組か丸組
  • 切り房か撚り房のもの
  • 夏帯締めは好みで使う

上のポイントを押さえて帯締めを選ぶと、茶道にも、紬や小紋など普段の稽古にも使えます。

ではどうしてこの条件なのか、それぞれを細かく見ていきましょう。

フォーマル・カジュアル・オールマイティーの見分け方

茶席お稽古一般的な特徴
フォーマル金糸・銀糸多めで幅が広いもの。格が高い帯に。
カジュアル×金糸・銀糸が入っていないかごくわずか。カラフルな色合い。帯留めを使う。三部紐など細いもの。しゃれ袋帯~八寸帯まで。
オールマイティー金糸・銀糸は少なく、上品な色の単色もしくは多色。太すぎず細すぎない。袋帯から八寸帯まで。

上の表に、それぞれの帯締めの特徴をあげてみました。
一番のポイントは「金銀が入っているかどうか」

金銀がたくさん入ると、一気にフォーマル度が増して普段着には使いにくくなります

逆に金銀は入っていなくても原色使いカラフルなものは、カジュアル過ぎて茶道などセミフォーマルには不向きな雰囲気になります
ちなみに、三部紐(通常より細い帯締め)や帯留めは茶道では使いません。

結果として、オールマイティーに使える「金銀が少なくて、上品な色使いの帯締め」が一番良いということになります

ビビネコが持っているフォーマル寄りの帯締め。↓↓↓
カジュアルに使うには少しキラキラが目立ちますね。初釜など華やかな席には逆に使いやすいですよ。

こちらはカジュアル帯締め。↓↓↓
細い、色合いや柄がカジュアル、小田巻など。
フォーマル・カジュアルとハッキリとした切り分けは無く、ざっと見たイメージで使い分けています。

こちらはオールマイティー帯締め。↓↓↓
ビビネコが持っているのはほとんどがオールマイティータイプ。
金銀がほとんど入っていない、多色のもの。

2色以上の方が使用頻度が高い

ほんの少しボカシて入ったブルーが良い仕事をする。

上品な色使いなのはもちろん、今回おすすめするのは2色以上の多色使いの帯締め
先ほど説明したように、多色帯締めの方が着物や帯の中の色を拾いやすくなるため、コーデが組みやすくなります。

それは茶道の着物に限らず、カジュアル着物(小紋、紬)にも共通。
そのため、これから帯締めを買う方には積極的に「多色の帯締め」を選ぶことをおすすめします
近い将来、「この帯締め、本当に買って良かった!」と思えますよ。

素材の違い

茶席お稽古特徴
正絹締めやすく、緩みにくい。基本、洗えない。
ポリエステル滑りやすく、緩みやすい。洗える。

次に素材ですが、圧倒的に正絹がおすすめです。
ポリエステルは洗えるのが利点ですが、滑るため着崩れしやすい

基本正絹の帯締めは洗えませんが、カジュアルな帯締めなら手洗い、高級な帯締めならクリーニングしてもらう事も可能です。

組み方の違い

平組
丸組
丸ぐけ
下が三部紐。比較のために上に冠組を置いてます
お茶会お稽古特徴
平組見た通りの、平らな帯締め。金糸・銀糸が多くないものは、セミフォーマル(お茶会)からカジュアルまで広く使用できる。
丸組断面が丸くなるように組まれている帯締め。色あいがおだやかなものはセミフォーマルにも十分使用できる。
丸ぐけ筒状にした生地の中に、綿を詰めた帯締め。太いもの、刺繍など豪華なものが振袖に使用される。細目でおだやかな色合いなら、お稽古にも使用可。お茶会、講習会に使用している人はほぼいない。
三部紐×(帯留めは使用不可)〇(帯留めは使用不可)通常の帯締めよりも細く、幅が約9mm程度の帯締め。帯留めを使用でき、そのまま結ぶこともできる。カジュアルな装いに向き、茶道にはほぼ使わない。帯留めを使わなければ、お稽古には使用可。

組み方は、4つに大きく分けられます。この中で茶道に使えるのは、平組と丸組
平組と丸組には様々な組方(高麗組、綾竹組、冠組、唐組、大和組、笹浪組、御岳組…)
がありますが、どれが何という組み方かわからないですよね?

でも大丈夫です!
平組か丸組ならどの組方でも、着物、帯、帯揚げ、帯締め全体で見て、何となくかしこまった雰囲気であればOK。

丸ぐけ・三部紐は使わないほうが無難ですが、それ以外の組み方で注意されることはありません。
そもそも、組み方を完璧に分かっている方は少ないですから!

房の違い

切り房
撚り房(よりふさ)
小田巻(おだまき)
蛸足 ※ビビネコは持っていないので、WEBから画像をお借りしています。
お茶会お稽古特徴
切り房(きりふさ)房の糸を切りそろえて仕上げたもの。耐久性は劣りクセもつきやすいが、しなやかで美しい。フォーマルからカジュアルまで広く使用できる。
撚り房(よりふさ)房の糸をねじって太くしたもの。糸がほつれず、からまず耐久性がある。フォーマルからカジュアルまで広く使用できる。
小田巻(おだまき)×ころんとした玉状。糸で中を空洞にして丸く巻き付けている。フォーマルには向かず、お茶席にも使用しない。カジュアルな装いに。
蛸足(たこあし)房が8本に分かれている。フォーマルからカジュアルまで幅広く使用できる。手間がかかり価格が高い。

帯締めの端っこ、房にも種類があります。
しかし上の表のように、小田巻以外は全く気にせずに選んで大丈夫!皆さんの好きなものにしましょう。

小田巻はコロンとしてとても可愛く、房が乱れないため扱いやすいです。
しかしカジュアル感が強いので、茶道には控えましょう。

夏帯締めは使っても良いが、必須ではない

ビビネコの夏組帯締め。茶道では5~7番目をよく使う。

6月~8月、9月中旬くらいまで、単衣から薄物の季節。
帯揚げは絽を使いますが、実は帯締めは夏物という決まりがありません

太く、分厚い帯締めは見た目暑苦しいので、少し細めのものや涼し気な色を使えば大丈夫ですよ。

しかし市場には「夏組」や「レース組」などが販売されているので、もちろん使ってもOK
お茶会や講習会にも締めてきている方は沢山いらっしゃいます。

ビビネコも夏帯締めは数本持っていて、周りの方が皆さん夏組ならそれに合わせています。
(事前に何気なくリサーチすると安心)
お茶では、上の画像の5~7番目をよく使います

こちらがほぼ同じものなので参考までに。「おびや」で販売されています。
淡い色が涼しげですね!

安い帯締めの色違い買い、セット買いをオススメしない理由

帯締めの買い増しの時に、1つだけ注意して欲しいことがあります。
それは、「セールで安い帯締めを色違いで買う、安い帯揚げとのセット買い」をしないで欲しいのです。

ネットショップや呉服屋さんの店頭では、客を集めるために新品でお手頃な商品が並んでいます。
しかし、皆さんはそれを購入してはいけませんよ。

安く売っている商品は、「それなり」です。
例えば

  • 他と変わらないように見えても、中国製でゴワゴワ。締めにくく緩みやすい
  • 単独で見るときれいな色でも、着物や帯とコーデするとなぜか合わない
  • セットになっている帯揚げがペラペラで上手く結べない

ビビネコも昔こんな帯締めを購入して失敗しました。
皆さんは十分注意して下さいね。

まとめ

ビビネコが大切にしている高級帯締め。訪問着、付け下げ、高級紬に良く合う。

以上、最初に買うべき帯締めと失敗しない選び方を解説しました。
まとめると、

  • まずは「淡色2色使いの冠組帯締め」を一本購入する
  • その後は、茶道にも普段にも使いやすい質の良い帯締めを購入する

この順番で購入してゆけば、無駄なお買い物をせずに良い品を揃えられると思います!

そして、一本目に冠組をおすすめする理由は、

1本目に最適!「淡色2色使いの冠組帯締め」を選ぶ理由
  • 冠組は色無地から紬の着物まで締められる
  • 冠組は一年中使用できる
  • 着物や帯の色が変わっても淡い色なら使いまわしやすい
  • 2色使いの方が、のちのちコーデの幅を広げやすい

20年着物を着ていて、一番茶道で使いやすいと思った帯締めがこの「淡色2色使いの冠組帯締め」です。
もし茶道をやめてしまったとしても、使いやすいことに変わりはありません。

おすすめは 生成×灰桜・薄香色×若葉色・乳白×薄藤 のどれか↓↓↓

おすすめは 淡黄色02・桜色03 のどちらか↓↓↓

もう一本目は持っていて、買い増ししたい!という方はこちらを参考にして頂くと失敗がありません!

2本目以降に!茶道にも普段にも使いやすい帯締めの条件
  • 金銀が少ないもの
  • 単色よりも多色。上品な色合い、色合わせのもの
  • 正絹
  • 平組か丸組
  • 切り房か撚り房

ネットで販売されているもので、「品質が保証されていて「色合いや雰囲気が茶道に間違いない」ものをいくつか載せておきますね。良かったら参考にしてみて下さい。

↓↓↓こちらはどの色も上品。2色使いで通年使用できて、カジュアルにも。日本製。

↓↓↓安心の衿秀。濃い色もボカシ効果でセミフォーマルOK。幅広く使える。

↓↓↓無形文化財の五嶋紐。白が夏の茶道にピッタリ!

ビビネコのように失敗しないよう、購入するなら最初から上質を選んで下さいね。
そうすることで、店頭で安いものを見つけても手を出さなくなります。さらに、普段から上質に触れていると「上質とはどういうものか」が分かるようになります。

どこで購入したら良いか分からない、という方は、「衿秀」「きねや」「五嶋紐」「ゑり正」、高価ですが可能なら「道明」「和小物さくら」で選んでみて下さい。間違いのない商品を購入できます。(ネットショップ「おびや」でも購入できます。)

長くなってしまいましたが、この記事を参考に後悔の無いお買い物をして下さい。
そして、自信をもってお茶会に参加して下さいね!

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