こんにちは!ご訪問ありがとうございます!
薬剤師のビビネコです。
家族の転勤のため、27年で9回の転職を経験し、現在はブロガー、ライターとして活動しています。
薬剤師時代は、病院、調剤薬局、ドラッグストア、美容師専門学校の講師と。
また、雇用形態も正社員、パート、契約社員、派遣社員と様々!新しい職場に慣れるのは大変でしたが、本当に色々な職場を見て沢山の経験をしてきました。
若い薬剤師からは、その経験からアドバイスを求められることも多く、転職や異業種へ転向した人もいます。
そしてブログを開始するに当たり、この薬剤師の経験から若い薬剤師さんの悩みを解決できたらと思っています!
そして、今回は新人薬剤師さんに向けた記事になっていますよ。
勤めたはいいけど、学生の知識だけでは全然仕事ができないんです。
勉強しなきゃとは思うけど、上手く出来なくて…
新人の頃は職場に慣れていないから疲れるし、勉強しようとしても上手くいかないよね!
そうなんです…。何か効率よく知識が付く良い方法は無いでしょうか?
実は、効率の良い方法は無いんだ。でも無理なく続けられて、確実に実力が付く方法はあるから紹介するね!ビビネコもその方法を地道に続けて、薬剤師として仕事をしてきたよ!
明日からできる方法だから、ぜひやってみて欲しい!
- 新人薬剤師にオススメな効果的な勉強法5つ
- 机に向かうだけじゃない!仕事中にできること
- 勉強を続けるコツ
- 勉強が続かない理由と対策
- おすすめの雑誌・参考書
「勉強しなきゃと思っているけど、そもそも薬剤師が向いていない気がする…」そんな方はこちらの記事もどうぞ。
ビビネコのプロフィール
薬剤師歴27年で転職歴9回の51歳女性。夫、猫4匹と暮らす。最高年収1000万。
【職歴】薬科大学卒業後、某総合病院の臨時職員(調剤室、一部発注担当)➡総合病院(500床)正社員、調剤室、製剤室(IVH調製、製剤品作成、TDM)、薬剤管理指導業務(代謝内科・呼吸器科・血液内科・循環器内科・消化器内科(肝臓)担当)➡美容師専門学校講師(衛生管理担当)➡某チェーン調剤薬局パート➡某チェーンドラッグストアーパート➡個人調剤薬局正社員(処方箋70枚/日程度、内科、肛門科)➡個人調剤薬局派遣社員➡総合病院(650床)契約社員(調剤室)➡某チェーン調剤薬局正社員(処方箋枚数60枚/日程度、循環器科、訪問薬剤管理指導2名担当、勤務開始4か月で薬局長昇進)➡退職、ブログ、webライティング開始
新人薬剤師におすすめ効果的な勉強法5選
では早速、おすすめの方法を5つ紹介しますね。
過去の調剤済み処方せんを見る
新人薬剤師にも、転職してきた薬剤師にも一番勉強になるのは「過去の処方せんを見ること」です。
理由は、処方せんを見て考える事で薬剤と疾患がセットで理解できるようになるから。
ただ見るのではなく、「どんな病気や症状なのか」「何の目的でその薬が処方されているか」を考えよう!
最初は簡単な処方から始め、徐々に重い処方を見るようにしよう。
同じような処方があれば薬剤の使い方のパターンが頭に入るし、違う薬剤の組み合わせになっていたら、その理由を考えるから更に勉強になるよ!
医師ごとの処方の癖をつかむと「医師のうっかりミス」に気づくことも出来ますよ。また疑義照会で修正された処方せんを見れば、先輩の疑義照会の基準や代替の仕方も学べます。
病院や調剤薬局は、前日~一か月程度の処方せんが薬局内に保管されています。これを活用しない手はありません。毎日一枚でも良いので処方解析をする習慣をつけましょう。
講演会・勉強会に参加しまくる
職場以外の「メーカー主催の講演会」「薬剤師会や医師会主催の勉強会」には積極的に参加しましょう。
理由はふたつ。
- 自分のペースに関係なく強制的に内容が進むので中途半端にならない
- 医師向けの内容だったとしても、処方意図が勉強できる
一人の勉強は全然進まないことありますよね?しかし、講演会なら時間通りに進みます。しかも、資料を用意してくれて、音声で読み上げ、詳細の解説までしてくれる。場合によってはお弁当が付くことも!何か一つでも知識として持って帰れるように頑張りましょう!
もし医師向けであまり理解できない内容だったとしても、「医師が何を考えて診察、処方しているのか」が解かりますよね。すると疑義照会に自然と役立ちます。いくつかの単語が頭に残り、何かの時に思い出して検索できる、それも大事。
新人の間は、時間が合うならぜひ参加しましょう。
空き時間に薬学雑誌を読む
昼休みなどの空き時間には「薬学系の雑誌」を読むのがおすすめです。
なぜなら、流し読みするだけでも業界の大きな流れやトレンドをつかめるから。
昼休みのうち、10分だけ。雑誌の1ページだけというように、毎日ちょっと読む。沢山読んでも覚えられませんから、少しづつ頭に入れましょう。
雑誌は、その時その時で医療・薬学に関する旬な情報をまとめてくれています。
さらに処方解析や疾病解説は新人にもわかりやすく、押さえておくべき内容が多いです。
新薬説明会を利用する
新薬説明会は、ただ聞くだけではなく「利用」しましょう。
理由は、新しい薬に絡ませて既存の薬もまとめて覚えるチャンスだから。
例えば、新しい機序の片頭痛薬の勉強会があるとします。
予習として、既存の採用している片頭痛薬をピックアップ。作用機序、用法用量、併用禁忌などを確認します。
そして新薬のパンフレットを見ながら比較。違いやメリット・デメリットを頭に入れます。
質問を考えて、説明会に臨みます。
「予習」「質問するために理解を深めておく」「実際に質問してアウトプットする」
この方法で格段に知識が身に付きます。
勉強した事を同僚に解説する
ここまでの方法で勉強したことを、周りの人(同期でも調剤助手でも誰でも良い)に解説しましょう。
「学習した内容を忘れないうちに人に説明する」ことで頭が整理され、記憶に固定できます。
必ずしも「解説・説明」でなくても、「雑談、経験談として話す」でもOK。
相手のためにも、自分のためにもなるのでぜひやってみて下さいね。
仕事中にできること
学習したことはノートに書きためておく
普通のノートかメモ帳を常に携帯し、学習した内容を片っ端から記入します。
理由は、後で見返すことで知識として固定できるから。
仕事中に先輩から指導されたり、医師から何かおしえてもらう事、叱られる事ありませんか?
それらは全てノートに書き溜めます。書かれた内容が理解できなかったら、調べ直すか先輩に質問しましょう。学ぼうとしている人を邪険に扱う人はいませんよ!
小さいメモ帳やノートは新人には必須アイテムです!
その日に起きたイベント・トラブルをチェック、ノートに記入
一日の仕事が終了したら、自分が関わっていないところで起きた処方上のイベントやトラブルをチェックします。参考になるものはノートに記入しましょう。
他の人の経験もチェックすることで、何倍ものスピードで生きた知識を増やせます!
積極的に服薬指導、窓口で学習した内容を説明する
最初は怖いかもしれませんが、積極的に服薬指導に行きましょう。
学習したことを実際に患者に説明することで、より知識が身に付きます。先ほどは同僚に解説することをオススメしましたが、「患者さんに説明する」のが一番。
分かりやすく説明するテクニック、患者の理解度に合わせて情報を取捨選択するチカラも付きますよ。
勉強を続けるコツ
- 何度も調べる事に罪悪感を持たない
- ノートはきれいにまとめようとしない
- 雑誌・本は最初から読もうとしない
- むやみにスマホに触らない
何度も調べる事に罪悪感を持たない
何度も同じことを調べてしまうと、自分が嫌になりそうですが気にしなくて大丈夫です!
繰り返しても誰にも迷惑かけていませんし、新人の時はみんなそんなもの。
悩んだり落ち込んでやる気を失う方が良くないので、気にせずにどんどん調べて下さいね!
ノートはきれいにまとめようとしない
ノートをきれいにまとめる必要は全くありません。
理由は清書する時間がもったいないのと、清書する行為は必ずしも記憶に繋がらないから。
「キレイに書く」ことが目標になると、全く頭に入りません。
清書する時間を他の学習時間に当てましょう。
雑誌・本は最初から読もうとしない
本を広げて、最初から勉強するのはやめましょう。
理由は、そのやり方だと途中でやめてしまう可能性が高いから。
それなら「今週は薬品説明会に合わせて疾患も調べる」とか、「雑誌で見た記事が気になったから、他の本でも見てみる」というふうに、必要な部分、興味が湧いた部分を勉強するほうが継続して学習できます。
薬剤師として働いていると、忙しくて時間が取れません。仕事とは別に、分厚い本を最初から最後まで勉強するのはほぼ不可能です。
むやみにスマホに触らない
スマホアプリで薬品を調べるのはアリですが、学習中には極力触らない。
スマホを触ると、どうしてもいつも見ているサイトを確認してしまったり、ゲームをタップしてしまったり。そのまま何分も経過して勉強が進まなくなります。
学習中は意識してスマホに触らないようにしましょう。
勉強が続かない理由と対策
- 仕事で疲れて気力が続かない
- 勉強する本を決めて始めるが、中途半端になる
- 最初から順番に勉強するが、結局頭に入らない
- 無理な計画を立てて挫折する
仕事で疲れて気力が続かない
新人の間は特に、疲れて勉強する気になれないものです。
そんな時に分厚い本を開いても、全く頭に入らない上にそんな自分が嫌になるだけ。
そんな時は、無理せずに処方せんを一枚見るだけにします。それなら続きますよね?
そしてその習慣ができたらしめたもの!普段の調剤の時に処方内容を確認する癖が付きます。
だんだん精神的にも体力的にも余裕が出てきたら、より深く学習すれば良いのです。
勉強する本を決めて始めるが、中途半端になる
「この本を勉強しよう!」と決めて始めると、失敗します。
理由は、興味の薄いセクションは取り掛かっても進まないから。
あまり興味を持てない章に入った時、そこから進まなくなります。そしてそのまま放置してしまう。
多くの人が勉強のために参考書を買い、本棚に置いたままになるのはそのためです。
参考書を買うのは賛成です。ただし、その本を極めようと思わず「必要な部分を必要な時に読む」使い方をしましょう。
最初から順番に勉強する方法は、結局頭に入らない
学生の名残で本の最初から順番に勉強したくなりますが、これも続かない理由です。
理由は疲れている頭で「今、仕事で関係ない事」を勉強しても、内容が入ってこないから。
例えば勤めている薬局が内科と泌尿器科の門前だったとします。
そして今勉強しようとしている本の最初の章が「精神科」だったら?もっと先に勉強することがあるよね?別にその本を一から勉強する必要ないよね?という話です。
たとえそれが「内科」の本だったとしても、です。
どんな本であったとしても「基本的に最初から順番に勉強しない」「今分からない事を調べる」という方法で学習するのが長続きさせるポイントです。
無理な計画を立てて挫折する
「1日○分机に向かう」とか「〇日までにこの本を読む」という無理な計画は失敗の元です。
それは計画通りに行かないと、「やる気」自体が無くなってしまうから。
仕事には波がありますよね?もの凄く忙しくてクタクタな日もあれば、時間ピッタリに終わる時も。無理な計画を立ててしまうと、自分で自分の首を締めます。
では挫折しないためにどうするか。それは「毎日ひとつ何かを調べる」程度の目標にすること。
薬品でも、疾患でも、治験でも、麻薬の取り扱いでも。何でも良いので一つ調べて自分のものにします。
仕事中でもできることなら、挫折をする可能性はぐっと下がりますよ。
自分を苦しめるような計画を立てるのはやめましょう。
おすすめ雑誌・参考書
他のサイトではオススメの書籍を沢山紹介していますが、ここではあえて基本的なものしか紹介しません。
理由はさきほどまで挙げてきた通り、「沢山本を買っても、自分の知識にできなければ意味が無いから」
あくまでも「実践的に学習する」ことを強く強くおすすめします。
ステップアップに近道はありませんよ。
薬局に置かれている使える雑誌
- 月刊薬事
- 月刊誌「薬局」
- 調剤と情報
- 日経ドラッグインフォメーション
これらは、薬局や病院で契約・購入していることが多いです。皆さんの職場にもありませんか?
上手く利用して知識をアップデートしましょう。
基本の辞書的参考書
沢山の本を買うよりも、これらを常に持ち歩き、処方解析と服薬指導を繰り返して下さい。
今日の治療薬
基本中の基本の書籍ですね。持っている方も多いのではないですか?
今日の治療薬の良いところは、それぞれのセンテンスの最初に、最新の治療の傾向や、治療に関する基本的な解説があること。薬剤を引いて「作用機序」の理解にあいまいな部分があるとき、ここを読むことで解決できる可能性があります。
薬剤一つ一つについての詳しさでは他に負けますが、コンパクトに解説されておりスピーディに調べたい時に最適です。
治療薬マニュアル
ビビネコは今日の治療薬とこちらを両方購入し、場面で使い分けていました。
こちらは、センテンスごとの解説は少ないですが、薬剤一つ一つの情報が完全に網羅されています。
ADMEに関して正確に把握したい時はこちらがおすすめ。患者の検査値をみて検討するときにも良いですね。
今日の治療指針(ポケット版)
薬剤師であっても、薬剤に関する知識だけでは臨床で活躍できません。
こちらは疾患の解説を始め、医師が治療時にどう考えて処方するかを学べるため一冊持っておきたい書籍。
医師向けですが、幅広い診療科を網羅的にまとめられており、薬剤師にもおすすめ。
病棟業務では、知らない疾患が既往歴に並ぶ事は日常茶飯事。ビビネコは必ずこの本で確認していました。
腎機能別薬剤投与量POCKETBOOK
病院でも薬局でも、腎機能が低下している患者の処方には気を使いますよね。
そんな時に、こちらは非常に調べやすく、確認・判断が楽にできる良書。
最新版が販売されたらすぐに買い替えるくらいの価値があります。
まとめ
いかがでしたか?
明日からでもすぐに始められることばかりではありませんか?
最近はコスパ・タイパが求められる世の中ですが、使える薬剤師になるためには、
泥臭く学習と実践を繰り返すのが王道
それでなければ、本ばかりが増えて全く知識も実力も付きません。
実践で身につけたこと、エピソードは一生忘れませんよ。
薬局や病院には生きた教材がゴロゴロ転がっている。それを利用するかどうかは皆さん次第です。
ぜひこの記事を参考に、学習と実践を繰り返して活躍できる薬剤師になって下さいね!
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