【着物で移動編】着物旅行の荷造り方法と着回しのコツを具体的に解説!

着物で移動編、着物旅行の荷造り方法と着回しのコツを解説! 着物
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こんにちは!
着物を着始めて20年になる茶道講師のビビネコです。
現在も毎週のお稽古、年に2~3回の泊りがけの研修に着物で参加する生活。
このブログの着物カテゴリーでは、着物まわりでお役に立ちそうなこと、着物ライフがより快適になる商品などを紹介していますよ。

今回は、「オール着物で旅行をする場合の荷造り」について解説します。
オール着物ですから、洋服は一切着ませんし持ってゆきません。車や飛行機、電車、新幹線も着物、という場合です。

先日、ビビネコは茨城へ結城紬についての研修旅行へ行きました。この間3泊4日、着物のみ
着物で移動する旅行は初めてでしたが、荷物を減らす工夫で快適に過ごすことができたので、皆さんにその具体的な方法や着物旅行のコツをお伝えしますね!

実際の持ち物や肌着の必要枚数荷物を減らす工夫パッキング方法などを解説していますので、きっと参考になると思います。ぜひ最後までご覧になって下さいね!

    

着物を着て旅行をする場合の荷造り方法

最適なスーツケース(キャリーケース)って?サイズは?

スーツケースの容量
替え用着物1セット+宿泊セット約30ℓ
替え用着物2セット+宿泊セット約40~45ℓ

着物を着て旅行、つまり洋服は持たない場合のスーツケースの大きさの目安です。
着物1セットは着用して、替え用着物を1セット持つパターンが30ℓ。
下は替え用着物を2セット持つパターンで40~45ℓです。

ビビネコは11月に、実際に着物を着て替えを1セット持つパターンで3泊4日を過ごしました
その時に使ったのが下の画像にある30ℓのスーツケースです。

具体的なパッキングはこのあと説明しますが、3泊4日なら30ℓで十分!

しかし、着物を2セット持つと、重さ、容量ともに増えるため30ℓではキツイ!ワンサイズ大きいもの、40~45ℓ以上をおすすめします。

ビビネコ家愛用、30ℓの横型スーツケース

身に着けるモノと持つモノ

では、具体的に身に着けてゆくものと、持ち運ぶものを分けて確認してみましょう!

身に着けてゆくもの
身に着けてゆくもの
  • 着物
  • 帯締め
  • 帯揚げ
  • 草履
  • 帯板、お太鼓止め
  • 腰ひも2本
  • 伊達締め
  • 和装ブラ
  • 帯枕
  • 補整着、タオル
  • ステテコ、インナー
  • 足袋
  • 長襦袢
  • 衿芯
  • コート(もしくは羽織)

これらは、ビビネコが着物を着る時に使っているものです。

次に、ビビネコが実際に3泊4日、着物のみで過ごすために持って行ったモノです。(着物・帯・小物は変えています)

3泊4日、着物のみで過ごす場合の持ち物
  • 着物1枚
  • 帯1枚
  • 帯締め1本
  • 帯揚げ1枚
  • 足袋1足
  • 腰ひも1本
  • 着物クリップ3個
  • (衣裳敷)
  • 風呂敷2枚
  • 替えの下着3日分
  • ホテル滞在中用靴下、Tシャツ1セット
  • 替えの大判ハンカチ2枚
  • 化粧品、くし
  • 財布
  • スマホ
  • 充電器
  • ポケットティッシュ
  • リップクリーム

非常に荷物が少ないです(笑)
特に今回はどれだけ効率的にできるかを実験するために、これで過ごしてみましたよ!

「え~!これじゃあ、不潔なんじゃない⁈」と思った方もいますよね?
大丈夫です!後ほどそのカラクリも紹介していますよ。

持ち運ぶ時の着物のたたみ方

1セットの着物をたたみます。

まずは、大判風呂敷(今回は105×106cmを使用)の上に2つ折りにした着物、真ん中に帯を載せます。
この時、着物も帯も、必ずたとう紙から出して直接風呂敷に包みます

理由は、たとう紙に入れたままだとかさばるのと、たとう紙の中で着物がずれてシワになるため。
初めてこのように包むと不安な方もいらっしゃるかもしれませんが、この方が着物にとって良いのです。

不安な方は、シワになりにくい紬の着物で試してみて下さいね。

次に、そのコーデで使う帯揚げ、帯締め、着付けに使うクリップや腰ひも、足袋を載せます。

その上に、帯をくるむように着物を両側からかぶせます。

風呂敷の真ん中に斜めに置きます。

一辺ずつ、キュッと引き締め、動かないようぴったりと包んでゆきます。

最後も引っ張りながら。

このカタマリになれば中で着物が動かないので、折り目以外に変なシワができません。

もし着物や帯をもう1セット持つなら、同じようにそのコーデで一つの風呂敷のカタマリを作って下さい。(その時は、腰ひも・クリップは別にします)

ビビネコが使っている風呂敷は、こちらの105×106サイズの綿のシャンタン生地のもの。

90×90cmでも大丈夫。
こちらも綿のシャンタン生地で軽くて滑らず、荷物になりません。

スーツケースへのパッキング方法

次に、パッキングの仕方です。
先ほど紹介した、30ℓのスーツケースに入れてゆきますよ。

まずは、先ほど作った着物のカタマリを入れます。縦にしてちょうど。
手を入れている部分に少し隙間ができています。

この隙間には下着類をキュッと詰めます。
右側には、ホテルで過ごす時のTシャツ類や化粧品、衣裳敷や風呂敷を詰めます。


まだ余裕があるので、もう少し荷物が多い方でもこのサイズのスーツケースで大丈夫ですよ。

着物を2セット持ち、スーツケースを40~45ℓにする方は、着物のカタマリを片側に2つ、入らなければ左右に分けて入れましょう。あとは隙間に他の荷物を詰めるだけです。

荷造りの入れ方の注意点

  • 着物と帯は風呂敷にしっかり包んでから入れる事
  • 着物セットの周りは隙間無くきっちり詰める事
  • 化粧水など水気のものは漏れ対策をしておく事
  • 着物の近くには水気のものをできるだけ入れない事

「着物はシワにならないように出しておく」と言われるので、風呂敷でしっかり包む事に不安になる方も多いかもしれません。
確かにシワになりやすい生地もありますが、大抵の着物はこの方法で大丈夫です。

なぜなら「熱と湿気のある状態でプレスされる」のが、シワになってしまう条件
着物を着て、脱いだらシワが付いているのはそのためです。

たとう紙から出した着物を包んでも、熱も湿気も無いのでシワになりにくい。
さらに帯を間に入れて包むことで、着物に折り目もつきにくくなります。逆にスーツケースに直接着物を入れると、中で着物や帯が動いてしまい、へんなシワが出来てしまいます

なので、着物と帯は風呂敷にしっかり包んでから入れた方が良いのです。
また、風呂敷の周りには他の荷物を隙間なく詰め、風呂敷包みが動かないようにしましょう。

一つ注意したいのは、液体による汚れ。
化粧水やクリーム類を荷造りする時は、フタが開きにくい容器を使う、ビニール袋に入れる、などが大切です。できれば、着物とは離して入れると安心ですね。

荷物を少なくするための着物、肌着の着回し方

着物2枚に対し、帯は1本を使いまわす

着物、帯は重くてかさばります。一枚ずつ持つと気にならないのですが、数枚まとめるとビックリするほど重い。

なので、旅行の時には帯1本を使いまわすのがおすすめです。
これだけでもかなり荷物は少なく、軽くなりますよ。

面積の大きい着物が変われば、帯が同じでもコーデの印象は大きく変わります。帯揚げや帯締めに変化があると更に効果的なので、お好みで小物を持ちましょう。

着物用の肌着はホテルで洗濯する

先ほど紹介した持ち物の中には、着物用の替えの肌着が入っていません
一日中着物で過ごすのに、肌着を替えないとかありえませんよね?

そんな時は「ホテルで洗濯」です。
肌に直接あたるもの、和装ブラ、補正の下に着るタンクトップ、ステテコ、足袋をホテルの部屋で洗ってハンガーを使って干します。(ハンガーが足りない時はフロントに言って借りましょう)

足袋は底の部分に厚みがあるので一晩では乾きにくいのですが、それ以外は朝になるとカラカラ。
サッパリと清潔に過ごせます。
足袋は次の日まで干しておき、替えの一足を使用します。もしくはアイロンやドライヤーを使って乾かします。

ちなみに、洗剤はホテルのハンドソープもしくはボディソープで十分です。
手洗い後、手で絞って干すか、入浴後のバスタオルに挟んで水気を絞ってから干します

ホテルの部屋は非常に乾燥しているので、よく乾きます。部屋の加湿にもなって丁度良いですよ!

補正に汚れをつけない工夫をする

ここで、疑問が出た方いませんか?
たかはし着物工房の補正とか、あしべの汗取りとか、和装ブラの上に直接着るんじゃないの?

そうなんです。そこがビビネコも悩んだところ。
補正肌着は本来肌に直接着ますが、洗ってしまうと厚みがあるため乾きにくい

そこで間に一枚、薄手で乾きやすいタンクトップを着てそれを洗うことにしました。そうすれば、かさばる補整を何枚も持つ必要がない!

実際やってみましたが、冬場ということもあって汗が補正に染みる事も無く、快適に過ごすことが出来ました。

斜めから写真を撮ってしまい、曲がって見えてます

ビビネコはユニクロのタンクトップを利用しましたが、ネットで購入するなら、このような商品。ポイントは背中の繰りが深い事、薄手で手洗い後も乾きやすい事です。

3泊4日を着物2枚、肌着1セットで着まわすシミュレーション

では次に4日間の着物・肌着類の着回し方、ホテルでの作業の例を紹介しますね。

1日目
  • 着物①+名古屋帯①+帯揚げ①+帯締め①+コート
  • 長襦袢+足袋①
  • 和装ブラ+タンクトップ+補正肌着+ステテコ

【ホテルに着いたら】

  • 着物①と帯①、長襦袢、補正をハンガーに掛けて湿気を飛ばす
  • 和装ブラ、タンクトップ、ステテコ、足袋①をお風呂場で洗って干す
  • 帯揚げ①、帯締め①は風呂敷に軽く包んで仕舞っておく

【翌日朝】

  • 着物①と帯①をたたんで帯揚げ①、帯締め①と一緒に風呂敷に包みスーツケースに仕舞う
  • 足袋①はそのまま干しておく
2日目
  • 着物②+名古屋帯②+帯揚げ②+帯締め②+コート
  • 長襦袢(1日目と同じもの)+足袋②
  • 和装ブラ+タンクトップ+補正肌着+ステテコ(全て1日目と同じもの)

【ホテルに着いたら】

  • 乾いた足袋①を翌日用に取り込む
  • 着物②と帯②、長襦袢、補正をハンガーに掛けて湿気を飛ばす
  • 和装ブラ、タンクトップ、ステテコ、足袋②をお風呂場で洗って干す
  • 帯揚げ②、帯締め②は風呂敷に軽く包んで仕舞っておく

【翌日朝

  • 着物②と帯②をたたんで帯揚げ②、帯締め②と一緒に風呂敷に包みスーツケースに仕舞う
  • 足袋②はそのまま干しておく
3日目
  • 着物①+名古屋帯①+帯揚げ①+帯締め①+コート
  • 長襦袢(1日目と同じもの)+足袋①
  • 和装ブラ+タンクトップ+補正肌着+ステテコ(全て1日目と同じもの)

以降繰り返しになります。
このパターンでは着物と帯は同じ組み合わせにしていますが、組み替えても良いですよ。

着物で移動をするに当たっての注意点

スーツケースは軽いモノを選ぶ

スーツケースは車輪が付いているので、基本的には持ち運びが楽です。
しかし、駅によってはエスカレーターやエレベーターの無い所が…。

着物を着て重いスーツケースを持ち、階段を使うのは思っている以上にキツイです。
さらに天気が悪い日には傘をさすため、全てタクシー移動を余儀なくされたりします。

少しでも楽に移動するため、スーツケースは出来るだけ軽量を選び、荷物はできるだけ少なくしておきましょう。さらに階段で楽に持つには、縦型よりも横型のスーツケースの方が向いています。特に背が小さい方におすすめですよ。

飛行機に乗る時は、手荷物を預ける

今回着物で飛行機に乗ってみました。
結果としては、「特に困ったことは無かった」です。

注意点としては、大きな荷物は預ける事。
小さいスーツケースだとしても、飛行機に持ち込むと上の棚に入れなくてはいけません

入れる時にはCAさんがやってくれても、下ろす時は自分で下ろす必要がある
無理して落としたり、着物に引っかけても大変なので必ず預けましょう。

また飲み物のサービスの時には、大判のハンカチを帯~膝にかけるか、初めからコートを着て汚れないように対策しておきましょう。

他に心配していたのは金属探知機
ベルト付き帯板の金具と、お太鼓止めが反応して止められないか。

調べてみると、空港によって鳴るものと鳴らないものがあるようですが、今回使用した「女満別空港」と「羽田空港」は大丈夫でした。草履も履いたまま通れましたよ。

ベルト付き帯板の金具
帯が緩まないお助けアイテム、「お太鼓止め」

余談になりますが、以前手荷物検査で引っかかったのが、茶道で使う「菓子切り」
全く気にせずに手荷物に入れたままだったのが止められました。
検査員さんに「これは何ですか?」と聞かれたので説明、今度からは預け入れ荷物に入れるように言われたので、皆さんもご注意下さいね。

雨の日はすそ汚れの対策をする

着物を着て外を歩く時に注意したいのが、すそ汚れ
雨の日は特に注意が必要です。

知っている方も多いと思いますが、着物は水でシミができます。これがクリーニングでも取るのが大変。そして、泥が混ざっているとさらに良くない。染み抜きをするとクリーニング代が高くつきます

なので昔から、着物の時は「天気予報が晴れでも雨具の用意を」と言われます。
おすすめはくるぶしまで覆うタイプの雨コート。正絹でももちろん良いですが、最近は軽くて質の良いポリエステルのコートがあります。小さくたためるので持ち運びにも便利!ビビネコは普段からこのコートを愛用しています。

ビビネコ愛用、東レ素材の雨コート、茄子紺

さらに、雨の日はコートの中で着物をたくし上げると絶対に汚さなくて済みます。
その方法を知りたい方はこちら↓↓↓で詳しく解説しているので参考にして下さいね。

ホテルで着物を着る時のコツ

  • できれば大き目の鏡がある部屋を予約する
  • 予約の時に、余分にハンガーを入れてもらうようにしておく
  • 衣裳敷が無い時は、バスタオルを敷いて着付けをする
  • 朝食無しプランにして着物を着る前に食べてしまう
  • 朝食付きの時はコートを着て会場に行き、汚れ防止
  • あまりに荷物が多い時は、ホテルから送る

着物を着る時、鏡はあった方が良いですよね。予約時に鏡の有無は確認しましょう。

また着物や帯を掛ける以外に、洗濯物を干すためにもハンガーは必須です。予約時にお願いしておくとスムーズですよ。

そして実は、ビビネコは荷物を少なくしたいので衣裳敷を持っていきません。
バスタオル(前日使用して、干しておいたもの)を敷いてその上で着替えます

朝食は、その時によって部屋で食べてしまう時と、朝食会場に行って食べる時があります。
部屋で食べる場合は、前日ホテルに帰る時にコンビニで買い、冷蔵庫に保管。着物を着る前に食べてしまいます。

朝食会場に行く場合は、見た目は二の次!汚さない事を最優先にしてコートを着て行きます。そうすれば、食べ物をこぼしてもコートの被害だけで済みますよ。

あとは、旅行の帰りに荷物が重いようなら、ホテルから自宅に荷物を送ってもらう事も出来るで頼んでみましょう。

まとめ

いかがでしたか?
今回は洋服を全く持たず、着物で旅行する場合の荷造り、旅行のコツについて解説しました。

着物で旅行というと、荷物が多くて大変なんじゃ…と思う方もいると思います。
しかし、全ての日程を着物で過ごすなら、荷物は少なくできることが分かって頂けたのではないでしょうか?

ビビネコは実際に着物2枚で3泊4日を過ごしましたが、本当に荷物は少なく済みました。
慣れてしまうと、ずっと着物を着ていても苦しくありませんよ。

飛行機内では、「着物で飛行機に乗られて、素敵ですね!」と声をかけられました(嬉)。
旅行に着物で行くか迷っている方、ぜひやってみましょう

一度経験すると、今後の着物ライフがもっと楽しくなる事間違いなしです!
世の中の沢山の人に、皆さんの素敵な着物姿を見せてあげて下さいね

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