カプセルを使うと、一人でもラクに薬を飲ませられる
治療のために猫に薬を飲ませたいけど、暴れて困っている。
口に入れても吐き出してしまう、泡を吹くので飲ませられない…。ごはんに混ぜても薬だけ残す。
こんな飼い主さんは多いのではないでしょうか?
ビビネコも最初は飲ませるのに苦戦し、よく掃除の時に吐き出された薬のミイラを発見しました。
種類によっては泡を吹いて吐くので可哀そうで飲ませられなくなってしまう事も…
そんな時、カプセルを使う方法もあるよ、と獣医さんに言われたのです。
試しに使ってみると、様々な問題が解決。猫も飼い主も負担が減りました。
今回は、ビビネコ家で実践しているカプセルを使った猫への薬の飲ませ方を紹介します。
カプセルをおすすめする理由6つ
味がしなくなる
カプセルに薬を入れると、薬の味をマスクすることができます。
カプセル自体はゼラチンでできており、無味無臭。
当然ですが、その中に苦い薬を入れようが、嫌いなニオイのものを入れようが、関係なくなります。
もちろん、カプセル自体には猫に有害な成分も入っていません。
例えば、苦みで吐き出していた薬も抵抗なく飲めます。
飲んだ後も、口の中に残らないので、猫にとって嫌な記憶が残りません。
子供も、薬が苦いと嫌がりますよね。味を感じさせないのは重要ポイントです。
泡を吹くことが無くなる
カプセルで飲ませると泡を吹かなくなります。
猫ちゃんに薬を飲ませたことがある方、経験ありませんか?
頑張って猫の口に薬を入れて、手で口を閉じていたら…口から泡がブクブク…。
体調は良くなって欲しいけど、本人にとって辛い事はしたくない。
猫を愛するからこその葛藤ですよね。それもカプセルで解決します。
理由は、苦みを感じなくなるから。
そもそも、猫が薬を口に含んで泡を吹くというのは、苦いものを口から吐き出そうと大量のヨダレを出すから。味を隠してしまえば解決するのです。
一人でも飲ませられる
「うちの子は暴れるし、誰かガッチリ押さえててくれなきゃ無理だよ…」
大丈夫です、一人でも飲ませられます。
薬がツルンと喉の奥に飲み込まれるので、押さえる時間が短くて済みます。暴れるスキを与えません。足を使って猫を固定する、喉の奥に入れる、などのコツをつかみましょう。
我が家の猫、フィオちゃん。女子。
吐き出しが圧倒的に少なくなる
「せっかく頑張って飲ませたのに、ペッと吐き出した」
「フードに混ぜたけど、薬だけ残した」
「いつのか分からない薬が、掃除のときに部屋のすみから出てきた」
猫は上手に薬だけ口から出しますよね。時には時間差で。
我が家も、錠剤をそのまま飲ませていた時はよくありました。
ところがカプセルは、それが圧倒的に少ないです。滑りが良いので、完全に飲み込みます。
「カプセルって、喉とか口の中に貼り付かないの?」と思う方もいらっしゃると思います。
それは、乾いたカプセルを口に入れた場合に起こります。
口の中やのどの粘膜の水分をカプセルが吸って貼り付くのです。
飲ませる前に水でカプセルを充分に濡らすと貼り付きませんよ。
すばやく飲ませられるので、猫の負担が少ない
当然ですが、猫は嫌な事をされると分かれば暴れるか、逃げます。
逃げる → 捕まえる → 苦いものを飲まされる → 嫌な記憶 → 次回さらに全力で逃げて抵抗→ 負の無限ループ
その嫌な記憶にさせなければ良い訳です。
素早く飲ませられるようになると、あまり逃げなくなりますよ。
太り気味の我が家のチーちゃん。
きちんと飲ませられるので、病状がより改善する
きちんと薬を飲ませてあげられれば、きちんと薬の効果が出ます。
獣医さんは診断、処置、処方をしてくれますが、薬を飲めなければ病気は良くならない可能性がありますよね。
猫は人間と違って、説得して飲んでもらう事ができません。
ここは飼い主さんの工夫で、無理なく飲んでもらいましょう。
実際のカプセルの使い方
錠剤をカプセルに入れる方法
錠剤が小さい場合は、そのままカプセルに入れましょう。
錠剤が大きくてそのままでは入らない場合は、半分や1/4に割って入れます。
(割っても良いかは獣医に確認して下さいね)
自分で見分けるポイントとしては、錠剤の表面に割線(錠剤を割るためのスジ)が入っていたら、
ほぼ100%割って大丈夫です。
粉薬をカプセルに入れる方法
粉薬もそのままカプセルに詰めます。静電気で入れにくい事もありますので注意しましょう。
病院で処方される時に、錠剤を粉末にしてくれている場合など錠剤で出してもらえることもあるので、聞いてみるのも良いですね。
液体をカプセルに入れる方法
以外に思われるかもしれませんが、液体もカプセルに入れられます。
指示された量の薬をスポイト等に抜き取り、カプセルに入れて蓋をするだけです。
液体の量が多い時は、一個に入らない時がありますが、我が家では2個に分けていました。
もし液体を入れる時に一緒に飲む錠剤があれば、錠剤も液体と一緒に入れて大丈夫です。
「液体入れたら、グニャグニャに溶けるのでは…」それが大丈夫なんです。
入れた後、4~5時間放置しても、普通のカプセルのままです。
ところが、飲ませるのを失敗して、猫の唾液に触れてしまったらグニャグニャになります。
理由は、唾液のアミラーゼという消化酵素がゼラチンを溶かすから。
カプセルの中身が液体の時は、速攻で2回戦に突入しましょう。
カプセルのサイズ選定
サイズは小さい程飲みやすいです。しかし、飲ませる薬が入らなければ意味がありませんね。
我が家で使っているカプセルはこちらです。
松屋 HFカプセル #000~#5 数字が大きい程小さいサイズになります。
猫ならば、大きくても0号まで。それも、薬を飲みなれた子のほうが良いです。
初めてなら、2号か1号をおすすめします。
小さすぎると、薬が入らない可能性もありますので。
錠剤を無理やり入れたらカプセルがゆがんだ!という場合でも大丈夫。
目的はスベリを良くする事なので、カタチは気にする必要ありません。
一緒に液体を入れる時は、もれに注意して下さい。
実践!ビビネコ家ではこんな風に薬をカプセルに入れている
ビビネコ家では、皮膚炎で「アトピカ」という薬を定期的に飲んでいる子が居ます。
飲んだ後の吐き気を抑える目的で、「セレニア」という吐き気止めも一緒にカプセルに入れます。
その様子を紹介しますね!
カプセルと錠剤、アトピカ(液体)を用意します
カプセルを開け、まずは錠剤を先に入れます
アトピカ液をシリンジで定量取ります
錠剤の入ったカプセルにゆっくり注入します
入りました!
ふたをして
完成です!このまま数時間放置しても大丈夫。
あたちが飲まされます(我が家のチーちゃん)
飲ませ方とコツ
- カプセルに薬を入れる。小皿に水を入れ、猫の近くに置く。
- カプセルを持ってそれとなく猫に近づく。
- 猫の後ろから覆いかぶさるように両腕、お腹、両脚で抱え込み、固定。この時、太ももで両側から猫を挟むようにすると安定します。股の間から後ろに逃げられないよう、足先は閉じます。
- カプセルを小皿の水にまんべんなく浸して(必ずする事!)中指と親指で持ち、
- 反対の手で頭を上から持ちながら口角~上あごを親指と中指で持ち上げ、
- カプセルを持った手の薬指で下あごを開き、開いた瞬間に喉の奥の方にカプセルを入れて素早く口を閉じる。(入れ方が浅いと舌で出してしまったり、カプセルを噛んでしまいます)
この時、最後の一押し、カプセルを中指で奥に押すようにすると確実。 - ペロッと舌なめずりしたら、飲み込めたサインです。
- ご褒美あげましょう!
- 濡らしたカプセルは滑ります。注意して持ちましょう。
- 薬を口に入れる時、猫にはその気が無くても、歯が当たりケガをする可能性があります
注意するか、どうしても難しい時は投薬補助具(カプセルポン・ピルガン)の使用も検討しましょう。
まとめ
本記事では、猫に薬を飲ませる時にカプセルを使う理由と実践法をお伝えしました。
猫ちゃんが健康で長生きできるように、飼い主としてはできるだけの事はしてあげたいですよね。
でもその治療のために、愛する我が子が嫌な思いをするのは心苦しい。
こんな飼い主さんが多いと思います。
この方法で楽に薬を飲ませてあげて、猫も飼い主も幸せな時間を長く続けて下さいね!
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