着物を着始めて、「よし、今年は浴衣ではなく夏着物に挑戦!」というかた、いらっしゃいますか?
夏の着物は涼し気で、本当に素敵です。日傘をさしている姿など、見とれてしまいますよね。
ビビネコとしては、一人でも多くの方に着物を着て欲しいので、大歓迎です。
ですが、夏に着物を着る時に注意しなければいけない事があります。
それが「透け」と「ラインのひびき」の問題。
夏着物は裏地が付かず、なおかつ薄い素材でできているため、強い日差しやライトで透けやすい。
透ける前提で長襦袢や肌着を選ばないと、だらしなく見える、相手が目のやり場に困る、後ろを歩いている人に下着が丸見え!なんて事になりかねません。
今回の記事では、夏に着物を着るために注意する事と対策、チェックポイントについてまとめました。この記事を読んで実践して、自信を持って夏着物デビューしましょう!
夏着物を着る時の注意点
肌襦袢、裾よけ(ステテコ)を着ける
夏着物を着る時に、透けを防止するために肌襦袢・裾よけを着用しましょう。
この二つは長襦袢の下に着るもので、汗取りの役目も果たします。
肌襦袢は、補正を兼ねた物を選ぶと、着姿がより美しくなります。夏着物は薄く体のラインが出やすいため、補正をすると垢抜けますよ。
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裾除けは、昔は「お腰(おこし)」とも呼ばれた、長襦袢の下で下半身を覆う綿の布です。最近はあまり販売されていないようですので、ステテコで代用して良いです。長め丈のステテコなら、足首が透けないのでキレイですよ。
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浴衣下、和装スリップで代用しても良い
肌襦袢・裾除けの代わりに、浴衣下もしくは和装スリップで代用しても構いません。補正効果の無いものがほとんどなので、必要に応じて補正をしましょう。
居敷当てを付ける
着物自体に「居敷当て(いしきあて)」という布を付ける、または付いた着物を買うと安心です。
着物の後ろ、腰から裾まで布が二重になるので、ショーツ自体が透ける、またはショーツのラインが響いてしまうのを防ぎます。
二部式長襦袢は境目が目立つので一部式の方がきれい
二部式長襦袢は便利なのですが、夏着物の時は注意が必要です。
襦袢の上半身にあたる半襦袢の裾のラインがボコボコと着物の表面に響いてしまう事があります。
その点、一部式はそういった心配はありません。
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この長襦袢に関する詳しい記事はこちら↓↓↓
現在二部式襦袢しか持っていず、買うお金がもったいない…という方は、対策として半襦袢を先に着て、裾除けをその上からかぶせるように巻き付けると、響きにくくなりますので試してみて下さいね!
背中の衣紋抜き(えもんぬき)が透ける事もある
薄色の着物のときは、長襦袢の衿に付いている衣紋抜きが透けてしまう時があります。透ける着物を着た時は、確認しましょう。
もし透けて気になるなら、衣紋抜きの付いていない長襦袢を用意する事になります。また、衣紋抜きが身頃と同じ素材になっていると響きにくくなるので、夏長襦袢を購入する時に注意すると良いでしょう。
薄色の着物の時は、長襦袢の袖にも注意が必要
ビビネコは、初心者の方にはまず筒袖の半襦袢をおすすめしています。
しかし、薄色の夏着物を着る時は、筒袖は避けた方が良いです。
それは腕を伸ばした時、着物の袖を通して筒袖が丸見えになってしまうため。この時は、ふつうの袖の長襦袢がキレイです。
対策としては、「筒袖半襦袢を買う時に、マジックテープで替え袖が付けられるものを選んでおく」。筒袖の上から夏物の替え袖を付けたら解決します。また、袖丈(そでたけ)や裄(ゆき)が合っていないと目立つので、そこもチェックしましょう。
そもそも、下着は無地、目立たない色のものを着る
着物の時は普通のブラジャーは避けるのが無難です。
理由は、柄や肩紐が透ける事があるから。
ブラをするなら、胸を押さえる和装タイプかブラ無しで補正肌着をつけるのがおすすめです。
ショーツはほとんどの方が普段と同じものを履かれますよね?この時は手持ちの中でも無地で肌に馴染む色のショーツを履きましょう。
着物が薄色なのにショーツが黒や派手な柄物だったりすると、透けて見えてしまいます。
あらかじめ試着をして後ろ姿をチェックする
着物を着て出かける予定がある場合は、あらかじめ着てみて後ろ姿をチェックしましょう。可能であれば、だれかに見てもらうと安心です。
その時点で透けが気になるなら、二部式襦袢の下部分、裾除けを一枚追加する事で解決すると思います。
夏着物を着る時に、肌着を着物用以外で代用できるか
結論、可能です。
涼しい素材で色の目立たない、襟ぐりの深い(特に後ろ)Tシャツ、インナー、ペチコートが使えます。
ただし必ず事前に着用してみて、透けないか、ラインに響いていないか確認して下さいね。
一つ注意したいのは、絹の着物に汗が染みると厄介だという事。
タンクトップは浴衣の下なら問題ありませんが、着物では脇の汗がシミになる可能性があります。
着物の時は袖ありの肌着で脇汗を吸い取るのが安全です。
夏着物お役立ち情報
重ね着は必須なので、肌着や長襦袢は涼しい素材を選んだ方が良い
夏は何を着ても暑いです。
さらに着物の場合どうしても重ね着になりやすいため、肌着はできるだけ涼しい素材や織を選びましょう。
基本、安価なポリエステルは暑いです。肌着はクレープ織の綿、麻素材がおすすめですよ!
長襦袢は、麻素材か爽竹が良いでしょう。
薄色の着物を選ばないのも手
着物が濃色であれば、かなり透けにくくなります。最初から薄色を選ばないというのも一つの方法ですね。これは浴衣にも共通です。
透け感で涼しさを演出する
夏の着物は、その透け感を活かして涼しさを演出します。
自分のためではなく、他人に涼を届けるのです。
着物を着ているとそれだけで注目されますし、夏はなおさら。本人は暑くても、周りから「あらー。涼し気で良いわね!」と言われたら成功です!
濃い色の薄物は長襦袢の色を変えると長い期間着られる
また、濃い色の透ける着物は、長襦袢も濃い色にして秋近くまで着るという方法もあります。
本来、透ける着物は9月には着ません。しかし長襦袢をこげ茶や紺などの濃い色にすると透け感が消えるため、長く着られるのです。
これは「9月なのに暑くて、単衣さえつらい」時に涼しく着物を着るテクニックです。
まとめ
以上、夏着物を着る時の注意点をまとめてみました。
- 肌襦袢、裾よけ(ステテコ)を着ける、もしくは浴衣下、和装スリップでも良い。
- 居敷当てが付いているとより安心。
- 二部式長襦袢は境目が目立つ。一部式の方がキレイ。
- 背中の衣紋抜きが透ける事もある。
- 薄色の着物を着るならば、長襦袢の袖は筒袖では無いほうが良い。
- そもそも、下着は無地、目立たない色のものを着る。
- あらかじめ試着をして後ろ姿をチェックする。
- 夏着物を着る時、肌着は着物用以外でも代用できるが、汗対策には注意が必要。
夏着物を着る時の具体例(肌着~着物)
普通の肌襦袢を着るのか、補正肌着を着るのかなど、皆さんそれぞれ持っているものによって変わってきます。
色々なパターンを予測して組み合わせてみたので、参考にして下さいね!
- ショーツ+着物ブラ+肌襦袢+ステテコ(長め丈)+補正+夏物長襦袢+夏着物+帯
- ショーツ+※補正肌着+ステテコ(長め丈)+夏物長襦袢+夏着物+帯
- ショーツ+着物ブラ+浴衣下(もしくは和装スリップ)+補正(ウエストタオルなど)+夏物長襦袢+夏着物+帯
- ショーツ+着物ブラ+浴衣下(もしくは和装スリップ)+補正(ウエストタオルなど)+夏物筒袖半襦袢+替え袖+裾除け+夏着物+帯
※補正肌着…肌襦袢と補正が一体化されたもの。ビビネコのおすすめは、「くノ一麻子」と「あしべ織汗取り」です。
夏着物を着る時の具体例 代用品を用いた場合(肌着~着物)
「着物専用の肌着を買うのはちょっと…」
という方は、次のような組み合わせでも着られますので試してみて下さいね!
一例:ショーツ + スポーツブラ + エアリズムUネックT(半袖)+※帯回り汗取り補正のタオル+
エアリズムキュロットペチコート + 夏物長襦袢 + 夏着物 + 帯
※帯回り汗取り補正のタオル…タオルをたたんで、そのまま使う事もできます。「毎回たたんで、セットするのが面倒!」という方は、こちら↓↓↓の記事を参考に、お手製の補正具を作ってみるのも良いですよ!
透け、ひびき具合チェック項目
着物に慣れるまでは、事前に着てみて透けやひびき具合をチェックしましょう!
離れて見ないとわからない場合もあるので、誰かに見てもらうのがおすすめですよ!
チェックリストは以下になります。
- 後ろから見た時に、ショーツ、足、短いステテコのすそが透けていないか。
- 背中・肩の下着のライン、衣紋抜きのラインが目立っていないか。
- 袖は筒袖が丸見えになっていないか、袖丈、裄丈がずれ過ぎていないか。
難しく感じる夏着物も、少し注意するだけで全く問題なく着られます。
最終的には、着物の中に何を着ていても透けやひびきが気にならず、着物が汗で汚れなければOK。
チェック項目を参考に、事前に確認して夏着物を楽しんでくださいね!
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