「着物を着てみたい!自分で着られるようになって、お出かけしたい!」
そう思ったものの、
「着物って、難しそう。そもそも、着るのに何が必要かわからない。」
「ネットで検索したけど、いろんなグッズが…どうやって使うの?」
そんな方いらっしゃいませんか?
今回は、初心者さんが着物を着るために最低限必要な物と、すぐに用意する必要が無いものは何か解説します。
この記事を読めば、余計な物を買う事無く、素敵な着物ライフを始められますよ。
是非一緒に見てゆきましょう!
最初から色々なグッズを買っても使いこなせない
結論からいいます。最初は、次にあげる8点だけを用意して下さい。
この8点で、着物を着てお太鼓の帯結びができます(浴衣や半幅帯を使う場合は別に解説しますね)。
呉服屋さんやネットショップで「初心者さん用〇点セット」ありますよね?
しかし、意外と最初は使いこなせないような物が入っていたりします。
それでは無駄になってもったいない。
自分で着られるようになって、必要だと思ったら買えばよいですよ。
では、最低限必要なものから順にみてゆきましょう。
着物を着るために最低限必要なもの8選
着物
着物自体は絶対に必要ですね。ご家族や親せきからのお下がり、知り合いからの頂きもの、リサイクルショップ、もちろん呉服屋さんでの購入品、なんでも構いません。
別に解説する予定ですが、着物の種類、素材もなんでも構いません。
極端に言うと喪服でも振袖でも良いんです。
最初は家で着付けの練習をすると思います。家で着るなら何でも良い。
考えてみて下さい。洋服だったら…家ではパジャマでもドレスでもスーツでも、ジャージでも何を着ていても大丈夫ですよね?それと同じです。
まずは何か着物を用意しましょう。着物に関する詳しい解説は別に用意する予定です。
帯
帯の種類は、今回は小物の関係で袋帯(ふくろおび)か名古屋帯(なごやおび)を用意しましょう。
半幅帯(はんはばおび)、兵児帯(へこおび)を結ぶ時は、必要な物はさらに少なくなります。
これも別に解説予定です。
帯枕(おびまくら)
帯をお太鼓結びにする時に必要になります。手持ちの物を使いましょう。
もし購入するのであれば、帯枕とひもが一体化していて柔らかく、更に洗えるものが使いやすく背中が痛くなりませんよ。
帯枕選びのポイントを解説した記事はこちら↓↓↓
帯揚げ(おびあげ)
帯枕の上からかぶせる細長い布です。
絞りの入っているものや、平らな布状のもの色々ありますが、何でも大丈夫です。
自分の好みが分かってきて着物が増えてきたら、合う色や柄、質感など楽しく選びましょう。
もし、新しく購入するのであれば、帯締めとセットになったペラペラのものではなく、質感の良い正絹(しょうけん)を一枚選びましょう。結びやすく、キレイに整えられます。ポリエステルは滑って着崩れるので注意です。
間違いの無い、老舗のお品。
帯締め(おびじめ)
お太鼓結びをした時に、帯がほどけないように止める紐です。
多種多様な帯締めがありますが、最初は気にせず好きなものを使うと良いでしょう。
これも少しずつ好みの物を買いましょう。ただし、ポリエステルは滑りやすく緩みやすいので正絹を選ぶと良いですよ。
多色の物が合わせやすくて便利です。こちらは品質が良くてお安いです。帯留めも使えます。
①長襦袢(ながじゅばん)もしくは②二部式襦袢(にぶしきじゅばん)もしくは③半襦袢(はんじゅばん)+裾除け(すそよけ)orステテコ
着物のすぐ下に着るインナーです。
今すでに長襦袢、もしくは二部式襦袢が手元にある場合はそれを使用、無い場合は筒袖タイプの半衿付き、洗濯できる素材の半襦袢を購入する事をおすすめします。
まず、衿(えり)の部分は外から見えます。ここには半衿(はんえり)を付けて着ます。ものによっては、元々ついた状態で販売されています。
半衿を付ける時には、針と糸で縫い付けるか、テープで貼る方法があります。
この半衿付けで挫折する人もいるため、最初は半衿の付いている、洗濯できる素材の長襦袢もしくは半襦袢を買うのをおすすめします。
ビビネコは、愛してやまない爽竹の紙人形仕立ての長襦袢1枚をもう10年近く着ています。絶対に間違いのない一枚が欲しいならおすすめです。洗濯機で丸洗いできますよ。詳しいレビュー記事はこちら↓↓↓
長襦袢のサイズは、おおまかに身長→着丈、裄丈(ゆき:手の長さ)、袖丈で選びます。
着丈は「身長−25〜30cm」
裄丈は「着物の裄丈−0.5〜1.0cm」
袖丈は「着物の袖丈-0.5cm前後」→最近の通常の着物は、49cmが多いので48.5cm前後が良い
先ほどおすすめした筒袖の半衿付き半襦袢なら、着丈、裄丈、袖丈のどれも関係なく着られるので便利です。
こちらは、半衿がレースで、筒袖、マジックテープで替え袖を付けられて便利・可愛いですよ!
レビュー記事はこちら↓↓↓
腰ひも
長じゅばんや着物を着る時に使用したり、帯を結ぶ時に補助的に使用します。
最低3本必要で、4本あると帯結びが楽です。
素材はモスリン、絹、化学繊維、綿、麻など様々ありますが、最初はモスリンと書いてあるものが緩みにくく安価で良いと思います。
腰ひもで言うモスリンは羊毛織物らしいですが、はっきりした素材の定義はないようですね。とりあえず、安くても「モスリンの腰ひも」であれば大丈夫です。
もし、どうしても迷う、何が良いか分からなければ、こちら↓↓↓がセットでお安いですよ。
さらに使いやすいのはこちら↓↓↓、ひもの真ん中に印が付いていて、可愛くて品質抜群です。ビビネコ愛用中です。
衿芯(えりしん)
衿がシワシワ、よれよれだと目立つので、衿芯はあった方がキレイに着られます。
長襦袢、もしくは半襦袢の半衿の内側に通して使います。こちらも「メッシュ」「薄型」など沢山の種類がありますが、どれでも大丈夫です。
ただし、「差し込み式の衿芯」を選んで下さいね。縫い付けるタイプの「バイアス衿芯」は使い方が異なるので注意です。
色々な厚さがありますので、お好みで選んで下さいね。
こんな感じのものをビビネコは使っています。
とりあえず他で代用して、必要に応じて購入するもの
草履(ぞうり)
浴衣には下駄をはきますが、着物は通常草履をはきます。
草履は下駄のような歯が無く、ふっくらとした履き心地。
着物で外出する機会が出てきたら購入しましょう!
最近は履物も自由で、ブーツやサンダル、下駄、スニーカーで着物という写真も目にします。
「通常は草履」と分かった上で他の履物を履く分にはOKですよ。
ビビネコも運転するときはスニーカーです。(道路交通法で草履での運転はNG)
購入するとなると、草履もピンキリ。しかし、結婚式などの式典でなければ、基本は好きなデザインの物を購入すれば良いと思います。
ビビネコが愛用しているのは、足が疲れにくく、指の股が痛くなりにくく、長持ちしてデザインも洗練されているカレンブロッソの「カフェ草履」です。
「草履界のスニーカー」と言われていて、一足を長く履く予定なら少しお高めですが超おすすめ!
最初の一足は、「白」か「アイボリー」がどんな着物とも合わせやすくて良いですよ!
草履を新しく購入した場合、鼻緒が痛くなりがちですね。こちらを参考によくなじませてから履きましょう。
足袋(たび)
自宅で着物を着るだけなら、足袋でなくても構いません。靴下や素足でも良いです。
「草履をはいて、お出かけしたい!」となったら、足袋か足袋ソックスを買いましょう。
最近はレースや柄物など、おしゃれな足袋が沢山販売されているので、お好みの物を見つけましょう。消耗品ですから、自由に選んで下さいね。足袋だけ呉服屋さんに買いに行っても大丈夫ですよ!
帯板(おびいた)前板(まえいた)
帯を巻いたときのお腹の部分をきれいに整える役目をします。
大きさや素材、厚さ、ベルト付きなど沢山の種類があります。
最初は用意しなくても着物は着られます。何なら、厚紙を45×12㎝に切り出し、角を丸く切り落として使用しても良いです。どこに着物を着てゆくのか、どの帯板を使うのが自分に合っているか考えて購入しましょう。
ビビネコは、普通の帯板、ヘチマ素材の帯板、パンチングされたプラスチックの帯板など使ってみましたが、最終的にはメッシュで蒸れにくい、このベルト付き帯板に落ち着きました。皆さんは好きな物を購入して下さいね!
肌襦袢(はだじゅばん)・裾除け(すそよけ)
①着物→長襦袢(二部式襦袢)→肌襦袢(上半身)+裾除けorステテコ(腰から下)→体
と、一番肌に近いところに着る肌着で、綿でできた生地が多いです。着物や長襦袢を汗や皮脂で汚さないように着るもので、頻繁に洗濯します。
というのも、着物や長襦袢が絹の場合、自宅では洗濯できません。現代では、着物はドライクリーニングに出すのが一般的です(よく「丸洗い」と言われるのはドライクリーニングの事です)。
なので、そもそも着物をできるだけ汚さないよう、肌着をしっかり着ます。
着物のクリーニング、お手入れに関してはまた別に記事を用意しますね。
しかし、必ず肌襦袢、裾除けを用意する必要はありません。冬なら襟ぐりの深いヒートテックとレギンスで良いですし、夏も冷房の効いている場所だけならタンクトップとしまむらのステテコで充分です。
頻繁に着物を着るようになったり、真夏の汗対策で特殊なインナーが必要になった場合、補正機能を求める場合は、着物専用の高機能のものを購入すると良いでしょう。
ビビネコ一押しの商品はこちらで紹介しています。興味のある方はどうぞ。↓↓↓
普段から補正が必要ない方の汗取りはこちら↓↓↓がおすすめです。
ステテコと合わせると、べたべたせずに本当に快適です。こちらもお高いので、必要になってから考えましょう。↓↓↓
②着物→半襦袢(上半身)+裾除けorステテコ(腰から下)→体
半襦袢の場合には、肌襦袢を兼ねているので省略することもできます。(半襦袢の所をご覧下さいね)
洗える素材の半襦袢を着るなら、汗をかいても安心です。
伊達締め(だてじめ)
長襦袢や着物の衿合わせを押さえるための幅広の紐です。
素材は絹や麻、綿、メッシュゴムなど様々です。後ほど出てくるマジックベルトもこれと同じ役割をします。
着物をきれいに着付けるには長襦袢の着方が重要になります。その時に、この伊達締めがあるとより着崩れしにくくなるのです。
着物を着る機会が増えてきたら、伊達締めは早めに購入しましょう。こちらの比較記事も別に用意しますね。とりあえず欲しいのであれば、まずは正絹の博多の伊達締めがしめやすく、緩みにくいです。
ビビネコが今使っているのは下の2種類、その時の気温や気分で決めます。
すずろベルトは、マジックテープで止めるので着けやすく、滑らないので着崩れ防止の効果もあります。
メッシュなので、蒸れが軽減されていますよ!
きものクリップ
長襦袢の上に着物を羽織った時に衿を固定させたり、帯を締める時に使うと着付けがより美しくできるクリップです。
こちらは非常に使い勝手が良いので、着る機会が増えてきたらおすすめです。まだそこまでは…という方は、洗濯バサミで代用できます。
この時、洗濯バサミは生地に引っかからない、滑らかな質感のものを使うようにしてください。着物を傷めてしまう恐れがあります。
色や柄が沢山あるので、好きな物を探してみて下さいね。大きさは、「大」が使いやすいです。逆に「小」は使った事がありません。
ちょっと高いのですが、ビビネコはどうしてもこれが使いたくて買ってしまいました(笑)
必要な場合だけ買えばよいもの
着物スリップ
肌襦袢と裾除けがつながったスリップです。基本、いりません。
このタイプが使いやすい人は、肌襦袢+裾除けの代わりに使用しましょう。浴衣下にも使えます。
和装ブラ
体型により使う人と使わない人がいます。胸が大きく帯の上にのってしまう方は、使った方が良いです。
肌がかぶれやすい方は、肌に優しい素材を選びましょう。ビビネコは3種類を使いまわしています。
オススメ和装ブラに関する記事はこちら↓↓↓
スタッキング(きものストッキング・和装ストッキング)
昔は定番だったようですが、最近は着けているひとはあまり見ませんし、いりません。
つま先が無い、白のひざ下ストッキングです。
一応寒さ対策、すそさばきを良くするなどの目的のようですが、寒さ対策ならレギンス、夏に汗ですそさばきが悪くなるなら、綿楊柳や麻のステテコの方が優れています。
後板(うしろいた)
振袖を着る時や、浴衣や着物で半幅帯を締める時に背中側に入れる板です。
半幅帯は後ろ板を入れなくてもキレイに結べますし、振袖は普段着ないので必要ありません。
コーリンベルト・着物ベルト・着付けベルト
呼び方がいろいろありますが、全て同じ機能のもののようです。
着物は胸のところで布を合わせて着ますが、時間がたつと合わせが緩み、はだけてくる事があります。これを防ぐ便利グッズです。
このベルトを使用している方は以外に多く、
「これ考えた人天才!」「これが無いと崩れるので、絶対使う」という方と、
「だんだん衿が詰まってくる(着物の衿が首を挟むように狭くなってくる事)ので嫌だ」
「ずっと締め付けられている感じがして好きじゃない」
「金具がワキの骨に当たって痛いので使えない」という方に意見が分かれます。
ビビネコとしては、使わなくても衿が崩れない人は、必要が無いと思っています。
ウエストベルト
腰ひもや胸ひもの代わりになる幅約3㎝程度の細目のゴムベルトです。
通常のひもは伸縮性が無いため、使い方や体型によっては苦しく感じる方もいます。
その時にこのゴムタイプのベルトをひも代わりに使うと、楽に過ごす事ができます。
腰ひもをかける位置を腰骨のすぐ上にする。
胸ひもは滑りにくい素材を使用して、余りきつく締めすぎない。といった工夫で苦しくない着付けはできますので、基本必要ないと思います。
好みで使うかどうかを決めましょう。最初はひもで着つけてみて考える、という順序で充分です。
マジックベルト
伊達締めの代わりに使用する、幅8.5㎝程度の厚手の伸縮性のあるゴムベルトです。
腰痛対策のベルトの着物用、と考えてもらうと分かりやすいでしょうか。
ゴム製なので着物が滑りにくく、マジックテープで止めるので装着が簡単です。数時間浴衣を着る、とか、動き回る子供に浴衣を着せる時には便利です。
しかし、ゴム製で幅広、厚手なので帯の中が非常に蒸れて暑いです。汗っかきさんや、暑がりさんは注意しないと汗でかぶれたり、あせもができたりするかもしれません。ビビネコ個人的見解ではおすすめしません。
三重仮紐(さんじゅうかりひも)・トリプル仮紐
袋帯・名古屋帯・半幅帯の変わり結びをする時にあると便利なグッズです。必需品ではありません。
着物を着始めてすぐの時は、まず普通の結び方からマスターしてゆくので、買う必要ありません。
普通に着られるようになり、You Tubeや本で見るような可愛い変わり結びをしたい!と思ったら購入すると良いでしょう。最初は持っていても使いこなせません。
また、使わなくてもヘアゴムと腰ひもだけで変わり結びもできるので、いろいろチャレンジしてみましょう。
着物ハンガー・和装ハンガー
着物を脱いだ後に干すとき、着る前に出しておく時に着物をかけておく専用のハンガーです。横に長い棒状で、着物の衿から手首までまっすぐな状態で掛けられます。
着物にとっては肩の部分に負荷がかからないので良いのですが、短時間かけるだけなら、洋服用のハンガーでも大丈夫です。
「やっぱりきちんと掛けたい!」という方は折り畳みできる一本が便利です。
収納バッグ・着物バッグ
着物セットに入っている事があるのですが、家で着て出かけるのがメインなら不要ですよ。風呂敷に包む事で代用もできます。
着物で旅行する時は、着物バッグに全て入れるのは難しいですね。旅行用のキャリーケースに入れるほうが持ち運びやすいです。
お稽古事などで頻繁に持ち運ぶようになったら、購入すると良いと思います。
持ち運びバッグに関する記事がありますので、参考にしてみて下さいね!
まとめ
まとめると、初心者さんが着物を着るために必要な物8選、必要に応じて購入するもの、必要な場合だけ購入するものは以下になります。
- 着物
- 帯
- 帯枕(おびまくら)
- 帯揚げ(おびあげ)
- 帯締め(おびじめ)
- 長襦袢(ながじゅばん)・二部式襦袢(にぶしきじゅばん)・半襦袢(はんじゅばん)+裾除け(すそよけ)orステテコのうちどれか
- 腰ひも
- 衿芯(えりしん)
- 草履(ぞうり)
- 足袋(たび)
- 帯板(おびいた)もしくは前板(まえいた)
- 肌襦袢(はだじゅばん)・裾除け(すそよけ)
- 伊達締め(だてじめ)
- きものクリップ
- 着物スリップ
- 和装ブラ
- スタッキング・きものストッキング・和装ストッキング
- 後ろ板(うしろいた)
- コーリンベルト・着物ベルト・着付けベルト
- ウエストベルト
- マジックベルト
- 三重仮紐(さんじゅうかりひも)・トリプル仮紐
- 着物ハンガー・和装ハンガー
- 収納バッグ・着物バッグ
必要最低限のものを揃えたら、あとは普段の下着だけ着た状態で着付けをしてみましょう!
今はYou Tubeなどで着付けの動画が沢山アップされていますので、何度も練習すれば誰でも着る事ができるようになりますよ!
もし、その動画で変わった道具を使っていたら、他の動画を見たり、上の記事をみて何で代用できるか確認してもらえれば、解決すると思います。
必要ない所にお金をかけることはありません!そしてお気に入りの着物や小物を買う資金ができたら、もっともっと楽しい未来が待っていると思います。
まずは手持ちの物を活かしながら、徐々に自分に必要な物だけを揃えて、どんどん着物を着ましょう!
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